人手不足から外国人採用の必要性が増し、日本国内に在住しているインドネシア人に目を向けている採用担当者さまも増えてきました。
しかし初めて外国人採用をされる方は、インドネシア人についてあまり知らない方も多いことでしょう。

そこで今回はインドネシア人について、知っておくべきことをまとめました。ぜひインドネシア人の採用を検討する際に、こちらのドキュメントを参考にしていただければと思います。

日本に住むインドネシア人はどのくらい?

出入国在留管理庁の報道発表資料によれば、令和5年(2023年)6月末時点では、日本に在住しているインドネシア人は122,028人です。
この数値は在日外国人総数の
3.7%にあたり、日本で7番目に多いのがインドネシア人です。

また、前年度と比較したインドネシア人(+23,163人)は、もっとも多いベトナム人(+30,842人)、そのつぎに多い中国人(+26,932人)に追いつくいきおい。
日本に在住しているインドネシア人は急増していることがわかります。

インドネシアについての基礎知識

インドネシアは非常に多様な文化や地理的な特徴を持つ国です。
個々の特徴は地域や民族によって異なりますが、一般的に以下のような特徴があります。

1.人口も多く、面積も大きい

インドネシアは1万7千以上の島からなる国です。島ごとに民族的、言語的、文化的なちがいが見られます。国土は190万平方キロメートルで、日本の5倍程度の面積。東西も5,000kmと長く、アメリカ大陸の東西間の距離と近いです。人口も非常に多く、2億5千万人以上。世界第4位の人口数です。

2.宗教的多様性

インドネシアはイスラム教徒が多数派(85%程度)です。しかしキリスト教、ヒンドゥー教、仏教も信仰されています。国民の中でもさまざまな宗教が信仰されているため、たがいの宗教を尊重しあっています。会社でもお祈りの時間があることを理解し、それを許容している会社が多いです。

では信仰の度合いはというと、ほとんど興味がない人もいれば、敬虔な方もいるといった具合です。ヒジャブも首都では付けている人が半々程度。親は敬虔だけれど、若い世代はそうでもない、という家庭も多いです。

3.性格

インドネシア人の中にもさまざまな性格の方がいますが、特徴を大きくわけると以下のようになります。

・元気で明るい、活動的

温暖な気候で生まれ育つからか、元気で明るく、活動的な方が多いといいます。人と話すことが好きな方が多いので、静かで寡黙だとすこしふしぎな目で見られることもあるようです。しかし決して悪く思われるわけではなく、個性のひとつとして捉えてもらえるといいます。

・スローペース

どのようなシチュエーションでも焦らず、落ち着いている方が多いようです。日本に住んでいるうちに時間厳守といわれていると、次第にそうなるようですが、基本的には時間に対してもおおらかな思想を持っています。期日をすぎることに対しても、日本だと小さな頃から親や教員に咎められて性格の中に組み込まれますが、インドネシアではあまりそうしたことはないようです。

・人前で怒られるのがいや

常夏の国では、つねに食料が手に入るからか、穏やかな性格の方が多くなると言われています。そのためインドネシアではゆったりとしたペースで生きている方が多いので、どなられたり、叱られたりする経験はあまりないようです。とくに人前で怒るのは侮辱にも当たります。注意するにしても人前ですることはやめた方が良さそうです。

留学生に聞いた、いま現在のインドネシアについて

1.結婚率が下がっている

インドネシアはここ10年は順調に経済成長をしており、もっとも成長している発展途上国のひとつとなっています。人口も2億7千万人を超え、若い世代が多いです。
しかしインドネシアの若者の68.3%が未婚で、結婚率が次第に下がる傾向は先進国と同じです。

2.就職では激しい競争

インドネシア国内での就職は、競争がとても激しいといいます。「年齢で差別するのが当然」のようになっており、25歳以下までが重宝される傾向があります

インドネシアでも日本同様に年上・先輩に対して敬意を持つ傾向がり、「まだ若い状態で雇って育てていくもの」と考えています。

「若い方が新しいスキルを得やすい」「頭が凝り固まっていなくて柔軟な発想ができる」と考えるのは、日本と似た考え方といえるのではないでしょうか。

3.就職活動での日本との違い

インドネシアでは日本のように「特定の時期に就職活動を初めて終える」という考え方はありません。大学卒業までに仕事が決まっていればいいですが、最近では決まらないままで卒業を迎える方も多いです。

前述しましたが、年齢での足切りが普通になされるので、仕事を見つけることに対して圧力がかかっています。

4.農業、採掘業、ソーシャルメディア

伝統的に国内の強い産業として、農業と採掘業が知られています。
最近では若い世代が多いこととも関係がありますが、ソーシャルメディア関連の職種が強い産業になっているといいます。Gojek(ゴージャック)というUber Eatsに似たアプリは、インドネシアの首都圏の飲食店ならほとんどどこでもやっているようです。

高校生、大学生もこのソーシャルメディアに精通した、デジタルマーケティング領域で職業に就きたいと考える方も増えています。

インドネシア人の語学力

インドネシア人は日本語に興味がある?

採用する側にとっては、インドネシア人に語学力があるかどうかは重要な情報でしょう。

インドネシアでは日本語学習者は約70万人程度いるといわれ、インドネシア国内では中国語についで関心が高いです。
この関心は「インドネシアが親日国家である」という背景もありますが、日本の植民地であった時期に日本語教育が行われていた事実も関係しています。
インドネシアでは日本のアニメや漫画が人気で、こうしたコンテンツを通じて日本語への興味を持つ人は多いです。

高い英語力

外国人が多い首都ジャカルタや観光地のバリ島では、小学校1年生から英語が必須科目に定められています。日本で働くことを目指しているインドネシアの方の中には、高い英語を持つ方が多くいます。

日本に来ている留学生も、高い英語力を当たり前に備えている方も多いです。

さいごに

日本国内で増えているインドネシア人は、日本人と考え方が似ていることも多く、日本の文化にすぐに慣れて順応する方が多いです。

身分系と呼ばれる、就業制限がない方の中にも、インドネシア出身の方は多くなっています。ぜひ有能なインドネシアの人材を考えている方は、弊社までお声がけください!