「やさしい日本語ってなに?」「採用面でやさしい日本語が使えるのはほんと?」などと疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。じつは外国人採用また採用後にも「やさしい日本語」は非常に重要なツールとなります。

そこで今回はやさしい日本語の特徴とはなにか、またやさしい日本語を採用でどのように使えるのか? についてまとめました。

現在は大企業だけでなく、中小企業さまにとっても外国人採用は必要なものになってきています。そんな中で、やさしい日本語を使う文化が浸透している会社は、外国人にとっては働きやすい会社という評判になりやすいです。

やさしい日本語とは?

やさしい日本語をカンタンにまとめますと、日本語が苦手な外国人に対してカンタンに理解できるよう変換した日本語です。

これらが産まれた背景としては、日本での災害などの緊急時に在日外国人が情報を理解できないことに端を発しています。「どこに避難所があるのか」「そもそも避難しなければならないのか」などなど…。
これまで外国人にとって、緊急時に難しい漢字を読まされることは大きなストレスで、長いあいだ問題視されていました。

そこから改良を重ねていき、現在に至ります。
「情報の精度が曖昧になるのでは?」といった不安点はありますが、日本でもますます増えてきている在留外国人の目線に立っって、行政や企業が情報発信をすることは非常に大切です。

やさしい日本語はどう進歩してきた?

もともと災害時の外国人への緊急対応には英語のマニュアルが用意されていました。しかし日本人はそもそも英語を習得することに時間がかかりすぎるという点や、さらには英語を母語としない外国人も日本には増えているため、やさしい日本語を使って伝える技術が進歩しました。

災害などの緊急時に使われる用語は、日本人にとっても難しいものが多いです。
これを日本語を母語としない外国人が理解することは困難でしょう。そこですこしでも理解が早まる方法として「やさしい日本語」は進化しました。

どんな場面で使われている?

医療現場で

医療現場での専門用語をわかりやすく説明するために用いられています。
多国籍の患者に対して医療用語は翻訳しなければ理解しづらく、患者が薬の名前や服用時間を聞く方法がわからないケースがあり、やさしい日本語が必要なのです。

やさしい日本語での教育を行う方を対象としたセミナーや講座があり、ここでは患者に対して「症状の確認方法」や、「処方薬の説明方法」を受講できます。

飲食業界で

飲食業界では現場のチェーン店でアルバイトを雇用しおり、外国人従業員にマニュアルがあるのは当然として、漢字にはふりがなをつけるなどの対応が行われています。

飲食業界の場合は外国人労働者向けのやさしい日本語マニュアルの導入が必須となるかもしれません。
とくにチェーン店のようなサービス業は、日本の場合は外国と違って丁寧な対応がもとめられる傾向にあります。接客で必要となる言葉などは、やさしい日本語のマニュアルで覚えてもらう必要があるでしょう。

日本語って難しいの?

弊社の外国人スタッフにインタビューしたところ
「ニュースを見ていて、自分が知らない分野の専門用語は理解ができない」

「『みる』など、音は同じなのに、漢字の使い方で意味が違うことに難しさを感じる」

といった回答が得られました。
わたしたちが英語を勉強していても、知らない、覚えられない専門的な英単語は多くあります。LookとSeeなど日本語では訳語が同じでも、使うときにはニュアンスが違うものもあります。
こういった用語に出会うとき、英語が難しいと感じられますが、日本に住む外国人も同じように感じています。
ほかには一般的に「オノマトペ(擬声語、擬音語)が多い」「漢字・ひらがな・カタカナの使いわけができない」と悩む外国人は多いようです。

企業の採用担当者は外国人の日本語レベルにあわせて、やさしい日本語で会社の労働条件を伝える、というのは採用担当者の役目になります。
事前に外国人対応用のマニュアルを用意しておきましょう!

外国人採用にもやさしい日本語を使いましょう!

採用面では、外国人にやさしい日本語で労働条件を伝えることが重要です。
この点も踏まえて、弊社の実際の採用ではどのように取り入れて対策しているかをまとめました。
今後やさしい日本語をどのように利用していくべきか、方向性を明確にするうえでの参考にしていただければと思います。

1.求人作成時

Guidable Jobs(ガイダブル・ジョブス)は在留外国人向けの求人掲載サービスです。
各求人の漢字にはふりがなをつけ、外国人登録ユーザーが情報を得やすいようにしています。

また英文で求人をみることができるため、日本語を苦手と感じる英語話者の外国人にとってもストレスなく仕事を探すができます。

▶︎やさしい日本語を活用したGuidable Jobs のホームページはこちら

採用担当者さまが「やさしい日本語」を理解していれば、求人広告掲載での応募人数も変わってきます。自分たちの会社のよさや、仕事の魅力をやさしい日本語でうまく表現することが重要です。

2.雇用契約書

「労働者に理解できるかたちで労働条件を開示する」という法律上の義務があり、雇用契約書は基本的には日本語で作成されます。

しかし双方の認識に問題がないかを確認することが重要ですので、契約書の内容を声に出して一緒に読んで相手に理解してもらったり、英語など相手が望む言語に翻訳するなどの対応が必要です。

しかし外国語で契約書を作成するのは大変な作業です。そこで最低限でも、「漢字にふりがなをつける」「難しい漢字を極力使わない」などのやさしい日本語としての対応をおこなうことをおすすめします。

3.雇用後の説明

日本人の就職と同様に、役所での申請・登録などは外国人本人がおこなう必要があります。
手続きを外国人に教える必要がありますが、この点も専門的なのでやさしい日本語で説明しましょう。ほかにも労働条件や福利厚生は的確にわかりやすく伝えましょう。

外国人労働者の雇い入れや離職のときに、在留資格の確認が法律で義務づけられています。
企業と外国人労働者が手続きに必要な書類について、おたがいに確認しましょう。

さらに外国人を雇用する場合、現場の社員にも理解してもらう必要があります。
現場での外国人労働者に対する配慮がないケース(たとえば現場に丸投げするなど)だと、なじめない現場では定着もしてくれません。

やさしい日本語を使うくせ、相手の立場に立って考えるくせをつけられるとよさそうです。

やさしい日本語について詳しくなりましたか?

「やさしい日本語」について理解は深められたでしょうか。外国人雇用がますます盛んになり、言語の問題を解決する必要性が強くなっています。
育った文化が大きく違う方といっしょに働く必要が出てきていますので、企業としてもやさしい日本語を使うことを覚えていく必要があるでしょう。

活用するのは少し大変ですがメリットは大きいです。
ぜひ積極的に活用して、外国人採用をうまく進めましょう!