近年はグローバル化や小学校での英語必修化の影響で、英会話講師の需要は高まっています。そのため活躍の場が多岐にわたり、働き方もさまざまです。もちろん雇用形態や働く場所などによって年収も異なるでしょう。

そこで今回は、英会話講師の年収の相場を属性や契約タイプべつにご紹介します。また基本給以外の賞与や各種手当、昇給などについても解説します。ぜひ採用目線からみる適正年収を探ってみてください。

英会話講師の年収の相場は?【属性別】

ひとくちに「英会話講師」といっても、働く場所によってタイプはさまざまです。塾の講師として働いている場合や、学校の講師として働いている場合など、その場所によっても大きく年収は異なってきます。

ここでは属性別に、収入の相場をご紹介いたします。

成人・子ども向け英会話教室タイプ

英会話講師の活躍の場として最初にイメージされるのは、成人・子ども向けの英会話教室でしょう。平日夜間または週末などに受講可能な社会人向けの教室や、子どもを対象とした平日の昼間の幼児向け教室などです。

両者ともに「マンツーマン指導」と「グループ指導」がありますね。

このような環境で働く英会話講師の給料相場は、常勤で平均25~30万円程度。非常勤の場合は1コマで平均3,000円程度です。

当然のことながらオンライン英会話教室なら通勤などの手間がないぶん、相場はさらに低くなるでしょう。
また教室内での活動のほかに、テストの採点やクラスの準備なども業務に含まれ、それらの業務は時間外労働の扱いにならないのが一般的です。

学校の非常勤講師タイプ

2020年度から小学5・6年生で英語が教科となり、3・4年生で外国語活動が始まるため、学校や学習塾の非常勤講師、あるいはアルバイトとして働く講師も増えています。
授業時間数や生徒数など環境の違いがあるため一概には言えませんが、講師の給料の相場はおおむね以下の通りです。

  • 公立学校の非常勤:1コマ2,500円前後
  • 私立学校の非常勤:1コマ3,000円前後
  • 学習塾常勤:月20万円~22万円(1年目)
  • 学習塾アルバイト:1コマ1,500円前後

ただし1コマといっても小学校と中学・高校では教授内容やレベルが異なり、学校と学習塾では1コマの授業時間も違うので、比較するのは困難かもしれません。
また授業だけでなく授業内容の立案やテストの採点、副教材の作成などが講師の業務に含まれる場合もあるでしょう。

そう考えると、決して高い時給とはいえません。

英会話講師の年収の相場は?【契約タイプ別】

英会話講師の世界でも、ほかの企業と同様に「正社員」「契約社員」「パートタイム」という雇用形態が存在します。
それぞれの年収の相場についてみていきましょう。

正社員は不人気?!

正社員として英会話講師を雇う場合、月給18~23万円程度が相場です。
経験がない新卒などの場合、経験のある英会話講師について助手として仕事を覚えてもらうことになります。

また豊富な経験や特化したスキルを持つ講師が転職した場合、月給25~50万円も可能です。月100万円を稼ぐ人気講師もいるそうです。どちらにしても勤める学校や働くエリアなどによって、給料は異なります。
また正社員の全体数が少ないのが現状です。

ある程度の経験を積んで昇給を望む講師には、教授だけでなく講師管理や学校運営などを含むマネジメント業務へ移行してもらうことになります。もちろん責任が重くやりがいのあるポジションですが、時間が長くなるのを嫌う講師も少なくありません。

しかし月給は30~35万円程度になることが多いようです。

純粋に「教えることが好き」あるいは「教える仕事だけをやりたい」という講師は、正社員という雇用形態を選ばず、契約社員やパートタイムとして働く傾向にあります。

契約社員はどうなの?

契約社員をフルタイムで雇う場合、月給は16~25万円程度が相場です。
正社員として雇うことを前提に、契約社員として雇う英会話教室もあります。

ただし社員を目指さない講師にとっては拘束時間が長く、あまり魅力的な雇用形態とは言えません。

パート・アルバイトの給料は高い?!

パートやアルバイトとして非常勤で雇う場合、時給制となるのが一般的です。時給相場は1,200~3,000円程度。評判がよく人気が上がれば時給も上がり、仕事量も増やしていくといいでしょう。

パートやアルバイトの講師は正社員やフルタイムの契約社員より時給が高めですが、正社員や契約社員のように雇用を保証する必要がないため、一人にかかる経費は少なくなるでしょう。生徒が多い平日夜間や週末の昼間など、忙しい時間帯だけ講師を揃えたい英会話教室にとっては便利な雇用形態かもしれません。

英会話講師は同じ英会話教室で定年まで働くことはなく、いくつもの教室を渡り歩いて経験を積んでいくことが多いようです。
またパート・アルバイトとして英会話教室で講師をするかたわら、インターネットを利用して個人や英会話学校を介してプライベートレッスンを行う講師も増えています。要するに、掛け持ちです。

この場合のレッスン料は業務委託する学校が決めた方法になり、時給のこともあれば1コマで支払われることもあるようです。
個人で生徒をみつけた場合は、マンツーマン指導なら40分で2,000~5,000円、グループ指導なら40分で2,000~5,000円が相場です。採用担当者はこのような事情も把握しておきましょう。

基本給以外はどうなっている?

年収には基本給以外の賞与や手当が含まれますが、英会話講師の場合はどうなっているのでしょうか。

賞与

賞与の査定は、講師の人気度や生徒からの高評価の度合いなどによります。また1年間でどれくらい授業を担当したのかも査定対象です。賞与が高くなれば年収も高くなるため、賞与の金額は英会話講師にとって非常に重要といえるでしょう。

なかには賞与制度を導入していない英会話教室もありますが、英会話講師にとって年収に大きな影響を及ぼす賞与は仕事へのモチベーションを上げる効果もあるため、制度の導入をおすすめします。

各種手当

ほとんどの場合、英会話講師の手当は社会保障の完備と交通費です。外国人講師には、住宅手当を支給する場合もありますが、雇用主により異なります。欧米社会では交通費の支給はほとんどないため喜ばれるでしょう。

昇給

昇給は年1~2回が一般的です。賞与と同様、講師の人気度や生徒からの高評価、担当した授業数などにより昇給率が決まります。

外国人講師の場合、評価が賞与や昇給に反映されないと、条件のいいほかの教室や学校へ移ってしまうことがあるので、正当に評価することが定着へつながるでしょう。

また英会話講師としてさまざまな国籍の方に働いていただくうえで、重要なポイントを国籍別にまとめました。

ぜひご活用ください。

英会話講師の年収は把握できましたか?

英会話講師の年収事情について、まとめてみました。英会話講師といっても働き方は多岐にわたり、雇用形態もさまざまです。さらに雇用形態により年収も異なります。

英会話講師はライフスタイルに合わせて雇用形態を選択し、英会話教室は講師のライフスタイルを尊重して雇用する時代なのかもしれません。

今後さらに需要の高まりが予想される英会話講師ですが、優秀な講師を集めるためには正当な評価を賞与や昇給に反映することが必要となるでしょう。
外国人採用はわからないことも多く、不安に感じることもあるとは思います。しかし国内に住んでいる方を雇うのは、海外から直接就労してもらうのにくらべてコストや手間を減らすことができるメリットもあります。

とくに永住者、配偶者、定住者などの「身分系」と呼ばれる方は英会話講師としても安定して働けるでしょう。

もし英会話講師をお探しの方は、ぜひGuidable Jobs(ガイダブル・ジョブス)にご連絡ください。