2020年東京オリンピックもいよいよ来年に迫り、訪日外国人観光客を街中で見かけることも増えています。近年ではグローバル化に伴い、外国人労働者数も年々増加傾向です。厚生労働省の調査によると、平成30年10月末現在での外国人労働者数は約146万人で、前年同期と比べて14.2%も増加しています。

「自社でも外国人労働者を採用したい!」そうお考えになる企業様も増えているのではないでしょうか。彼らが日本で働きたいと考える理由、働きたくないと考える理由を知ることで、企業様が求める人材にマッチングした雇用ができるでしょう。

【地域別】外国人が日本で働きたい理由は?

外国人 円陣

外国人にとって、日本の何が魅力的なのでしょうか?多くの外国人に共通した理由は、日本が好き・治安が良い・スキルアップのためなどです。さらに詳しく、アジアや欧米、南米など世界の地域別に見てみると、彼らが日本で働きたい理由は少しずつ違います。

多くの外国人に共通して見られる理由

日本で働きたい理由として挙げられるのは、主に以下のようなことです。

  • 日本が好き
  • 日本は治安が良く人のマナーが良い
  • 日本企業のイメージが良い
  • 保険や福利厚生が充実している

外国人が挙げる日本で働きたい理由で多いのは、「日本が好きだから」です。アニメ先進国とも言われる日本のアニメは世界でも大人気になり、コスプレをする人や日本の文化にも興味を持つ人が多くなりました。日本のテレビゲームの人気も世界的で、アニメーションやゲームの制作に関わりたいという理由で来日する外国人も増えています。

それ以外にも、留学生として日本に来て、日本の友達ができたり生活が気に入ったりしてそのまま日本で就職活動をする人も多くいます。また、日本の治安の良さは世界一と言われるほど、日本は安全で住みやすい国です。日本人はレストランやショッピングモールでもマナー良く振舞い、電車やバスなど公共の場所でルールや順番を守ります。その姿勢は、外国人から見ると珍しく、素晴らしいことだと感じるようです。

そして、日本企業のイメージは世界でもトップクラスで良いことはご存知でしょう。そのイメージの良さが、多くの外国人が日本で働きたい理由の一つです。世界中に日本の製品は流通し、その技術の高さや品質の良さには定評があります。そのため、日本の最先端のテクノロジーや技術を学びたいと思う人も多いのです。

アジアの人々が日本で働きたい理由は?

アジア街

では、今度は地域別に外国人労働者が日本で働きたい理由を見てみましょう。アジアの人々は、小さい頃から日本のアニメや漫画に日常的に触れていて、自然と日本に興味を持つ人が多いようです。日本よりも生活基準が低い国が多いので、日本で働けば母国で働くよりも給料が高くなります。

・母国よりも給与が高い

先述の、「多くの外国人が日本で働きたい理由」に加えて、アジアの国々からの外国人労働者では、「母国で働くよりも日本で働く方が給与が高いから」という理由が目立ちます。日本で働いて、家族のために母国に送金をしたいということです。給与を理由とするのは特にフィリピンやベトナムなど東南アジアの人々に多く、中国・韓国・シンガポールなどでは職種によっては日本と給与が変わらなくなってきています。

・母国で就職するよりも就活しやすい

お隣の韓国では、日本よりも学歴重視な傾向にあり、就職先も大企業に人気が集中しています。就職のハードルや競争率も非常に高いので、求職者はおのずと語学力や知識が高くなり、母国で就職するよりも日本の方が就職活動しやすいという側面があるのです。

欧米の人々が日本で働きたい理由は?

欧米人の場合、日本のものづくりの技術や文化に惹かれて日本に興味を持つことが多いようです。母国とは全く違う文化の日本は、欧米人の目にはとてもミステリアスに映ることがあります。

・キャリアアップのため

欧米では自身のキャリアアップのために日本で働きたいと思っている人が多く、日本企業の各国支社に勤めていて日本に興味を持ったり、会社のビジョンに共感したりすることが日本で働きたい理由になります。アメリカ人は特に、明確なビジョンをもってキャリアアップをしていきます。今の仕事よりやりがいがあったり給料が良かったりすれば転職を考えるのが普通です。そのため、転職回数がマイナスに働かないことから転職スピードが日本よりも早いという特徴があります。

・福利厚生や医療制度が整っているから

アメリカやヨーロッパからの外国人労働者では、福利厚生や保険が整っていることがメリットとして挙げられます。日本の医療制度は他の国に比べて技術水準が高いので、万が一の場合に安心して治療を受けることができるのです。

・日本で高い技術を身につけるため

南米はアジアの国々と同じように日本より給与水準が低い国が多いので、日本で働いて母国に送金したいという理由で就職する人が多いでしょう。他には、日本で高い技術を身につけて将来母国で活用したいと思っている外国人労働者もいます。

【地域別】外国人が日本で働きたくない理由は?

NO

外国人労働者が増える一方で、一部の優秀な留学生などにとっては日本企業への就職が魅力的でなくなっています。日本では外国人労働者が働ける職種が少ないこと、長時間の労働環境や低賃金、人種差別などが日本で働きたくない理由に挙げられるでしょう。

また、コミュニケーションの壁も大きな問題です。日本語は習得が難しい言語である上、日本でしか話されていないため、他の国では使えないというデメリットがあります。しかし日本企業が外国人労働者に求める日本語能力はとても高く、日本での就職には高いハードルがあるのも事実です。

アジアの人々が日本で働きたくない理由は?

日本の労働環境の劣悪さが問題になってきています。外国人技能実習制度を利用して日本に働きに来た中国人やベトナム人が低賃金で長時間労働を強いられ、いじめにあうという報道もされました。

欧米の人々が日本で働きたくない理由は?

欧米の人々は、日本では能力に応じた給料が払われないことや、日本の企業体質に対して不満を持っています。日本人の目線でしか物事を考えられず、グローバルな視点が無い点に違和感を持つ人も多いです。アメリカは実力主義のため、能力が高ければどんどん出世をして給料も上がるのです。しかし日本ではまだまだ年功序列が普通であり、個人の能力に見合った給料が与えられないという現実があります。

ヨーロッパの人々は、プライベートをとても尊重します。夏に1ヶ月単位のバケーションを取ることは母国では当然の権利であり、日本のように1週間休むだけでも周りの人に嫌な顔をされるのは窮屈と感じるでしょう。

南米の人々にとってもやはり、劣悪な労働環境や差別、ライフワークバランスのいびつさなどは、日本で働きたくない理由になります。また南米では日本の厳格な時間厳守文化は受け入れづらくいざ働き始めても、働きにくいと考えてしまうこともあるでしょう。

日本で働きたい外国人とうまくマッチングするには!

外国人ウェイター女性

外国人たちが、なぜ日本で働きたいと考えるかお分かりいただけたでしょうか?日本は諸外国に比べて、治安が良く住みやすい国です。世界に誇れる独自の文化や伝統があり、アニメや漫画、テレビゲームは大人気です。そのため、日本が好きだから日本で働きたいと思う外国人は大勢います。日本は少子高齢化により、近い将来日本人だけでは労働者が足りなくなってしまうという問題を抱えています。

その解決策として日本政府は、2050年までに50万人以上の外国人労働者を受け入れる方針を固めました。外国人技能実習制度を利用して日本で働く外国人も増えており、労働力としての外国人への期待が高まっています。しかし、受け入れ側である日本の労働環境や賃金、差別などへの不安から日本で働きたくないと思っている外国人もいます。長時間労働や低賃金などを見直し、働く環境を改善していくことで外国人労働者だけでなく日本人にとっても生活の質を上げることができるでしょう。

引用・参考文献

クールジャパンの再生産のための外国人意識調査(平成 30 年2月)特定非営利活動法人 映像産業振興機構(VIPO)
(内閣府知的財産戦略推進事務局委託事業)