企業のグローバル化の一環として、フィリピン人を雇いたいと考えている方もいるでしょう。そこで、「フィリピン人の英語力はどのレベルなのか?」という疑問が浮かぶかと思います。採用する側として英語力のあるフィリピン人を採用し、企業のグローバル化を強化したいでしょう。
そこで当記事では、フィリピン人の英語レベルや日本国内でフィリピン人が多い業種について解説していきます。フィリピン人の雇用を検討している方はぜひ当記事を参考にしてください。
目次
フィリピン人は小さい頃から英語が話せる?

フィリピン人は小さい頃から英語を話せる人が多いといわれています。アジアの中でもトップクラスの英語力を誇ります。2018年のEF英語能力指数世界ランキングでは、シンガポールに続き、アジアで第2位、全体で14位に選ばれました。
その背景には、フィリピンの英語教育があります。まずはフィリピンという国の概要をおさらいし、フィリピンの英語教育について紹介します。
フィリピンをまずはおさらい
フィリピンは7000以上もの島々で構成される島国です。島の数はインドネシアに次いで世界で第二位となります。国名の「フィリピン」は16世紀のスペイン国王「フェリペ2世」が起源です。フィリピン国内では、80前後の言語が話されており、公用語は、タガログ語と英語となります。人口は約1億98万人(2015年フィリピン国勢調査)です。首都のマニラには人口1000万人以上います。
フィリピンがASEANの中で唯一のキリスト教国として、国民の83%がカトリック、その他のキリスト教徒が10%から構成されています。また、イスラム教徒が5%います。フィリピン国家統計局のデータによると、平均寿命は男性が65歳、女性は71.9歳です。
日本では、リゾート先として有名な「セブ島」など、美しいビーチがある国としての印象が強いでしょう。それでは、フィリピンの歴史をみていきます。
14世紀〜15世紀頃、フィリピンにイスラム教が伝わり、フィリピン初のイスラム国である「スールー王国」が誕生します。1571年にはスペインの植民地となり、1898年からはアメリカの植民地となりました。また、第二次世界大戦中には、日本の統治下にもおかれています。その後、1946年に「フィリピン共和国」として独立を果たしました。
フィリピンは、1898年から1946年にかけてアメリカの植民地支配を受けていました。そのため、公用語が英語となり、いまでは世界で3番目に英語話者が多い国となっています。
フィリピンの英語教育とは?

フィリピンでは小学校から大学まで全て英語で教育が行われます。英語を「習う」のではなく、英語を「使い」勉強します。フィリピンでは3歳から英語にふれるといいます。教科書は全て英語でかかれているので、英語が理解できるのはフィリピン人にとって当たり前のことです。
フィリピン教育省の資料(2010年)によると、公立学校における6年間の英語の総授業時間数は1,746時間となります。一方、日本の小学校では、数十時間程度にとどまります。その差は歴然でしょう。街中にある看板や広告は基本的に英語のため、日常的に英語にふれる機会が多いです。
また、フィリピンでは英語を話せることが高収入に繋がります。英語話者はコールセンターや英語教師として、フィリピンの中でも給与水準の高い職につけることができます。一方で、英語が話せなければ収入の高い職につくことは難しく、低賃金での労働となってしまいます。
フィリピンは貧困国であり、子供の英語力は家族を養っていくためにも重要なことです。貧困層から抜け出すためにも、幼少期から英語をしっかり勉強する子供が多い傾向になります。フィリピン人の高い英語力は、フィリピンの英語教育に加え、このような社会的背景が後押ししているのです。
フィリピン人の英語は訛りがあるの?

フィリピン人は幼少期から英語にふれており、英語話者が多い国であることは理解いただけたでしょう。ここでは、フィリピン人の英語について解説します。
一般的には…
幼少期から英語教育を受けていることもあり、フィリピン人の英語はクセがないといわれています。フィリピン人お英語の特徴は主に3つです。
・なまりが少ない
フィリピン人の英語は他のアジア圏の英語と比べると、なまりが少なく、流暢な英語だといわれています。フィリピン人は、幼少期から英語に慣れ親しんでいることもあり、クセが少なく流暢な英語が特徴です。
・話すスピードが遅い
英語を幼少期から使っているとはいえ、イギリスやアメリカ出身のネイティブスピーカーと比べると、英語を話すスピードが遅いです。そのため、英語の苦手な日本人でも聞き取りやすいスピードといえます。
・スラングを使わない
フィリピン人はスラングをあまり使わないといわれています。スラングは一部の英語話者しか理解できません。また、地域によってスラングは異なってきます。そのため、スラングを使わないフィリピン人の英語は、理解しやすいといえます。とはいえ、フィリピン人はネイティブスピーカーではありません。英語のなまりがあるのは事実です。一般的には、フィリピン人の公用語であるタガログ語なまりの英語となります。とはいえ、多少のなまりはありますが、英語として聞き取れるレベルです。
留学生も多い?
フィリピンでは、英語圏に留学する人も多いです。2013年、アキノ大統領主導の元、国内全ての教育機関を国際基準に合わせることを目的として、フィリピンの学生が海外の留学プログラミムに参加しやすくなる新たな法律をつくりました。
IIE Open Doors Reportによると、2016年の時点でアメリカで勉強している学生の数は3,006人に及びました。海外留学とまではいかなくても、国内には数多くのインターナショナルスクールがあり、ネイティブに近い英語を使い、教育を受けているといいます。
政府のサポートなどもあり、英語圏での質の高い教育を受ける人や国内のインターナショナルスクールに通う人が増加傾向にあります。そのため、フィリピン特有の英語のクセがなくなり、国際レベルの英語力を有したフィリピン人が増えているといえます。
日本で働くフィリピン人は英語ペラペラ?

フィリピン人のほとんどが英語を流量に話せることはすでに解説した通りです。フィリピン人の英語力をふまえ、日本で働くフィリピン人はどういった仕事についているのでしょうか?英語を使う機会はあるのでしょうか?解説していきます。
フィリピン人が多い業種は?
男性は主に製造業や建設業、女性は介護やホテルをはじめとしたサービス系の業種で働く人が多いです。その他の業種においても、英語のできるフィリピン人は多岐にわたり、活躍しています。
男性の場合は国内で身につけた専門技術を活かし、日本で高収入となる専門職として、女性では家庭での家事の経験をいかした業種が多いと考えられます。中でもホテルの受付やコールセンターでは、フィリピン人の英語力が活かされています。
フィリピン人の英語について詳しくなったでしょうか?

フィリピンの英語力について理解いただけたでしょうか?フィリピン人は幼少期から英語で教育を受けているため、アジアの中でもトップクラスの英語力をほこります。フィリピン人特有の英語なまりがあるものの、理解できないレベルではありません。
英語力のあるフィリピン人は、サービス業をはじめ、様々な業界・業種で活躍中です。政府の意向に伴い、今後はIT技術職の需要が高まり、自ずとIT企業で活躍するフィリピン人が増えていくと予想されます。英語力に問題のないフィリピン人の雇用をぜひ検討しましょう。