外国人雇用について考える企業は年々増えてきています。しかし採用を担当する立場からすると、外国人の雇用は不安や疑問も多いのではないでしょうか? 背景となる文化が大きく異なると「考え方」「行動」も違いますから、雇用に慎重になるのは当然のことでしょう。

しかしそれは逆にいうと「相手の考え方」「行動」「特徴」などを知れば、おたがいに満足がいく関係が結べるということ。
今回の記事がタイという国や、タイ人の性格(あくまで一般的なものですが)について理解を深める一助となれば幸いです。

タイ人の特徴①:親日家

タイ人が親日家というのは有名な話です。仕事以外でもタイ人と接する機会があった方は、笑顔でフレンドリーな対応をされたのではないでしょうか。

歴史的なつながり:

タイと日本は歴史的に親善関係を築いてきました。
第2次世界大戦中にはタイは日本に協力し、連合国との交渉を通じて独立を維持しました。この時期に始まる日本との良好な関係が、今日までつづいています。

日本の文化への尊敬:

日本の文化、芸術、技術などが世界では高く評価されており、タイもその一翼をになっています。とくに日本のアニメ、マンガ、音楽などがタイで愛されており、小さなころからこれらに触れてきたというひとも多いようです。

経済協力:

日本はタイとの経済的な協力や投資を行っており、その影響で日本との経済的つながりが深まっています。
経済的なパートナーシップは国と国、または個人としての感情にも影響を与えているのかもしれません。

観光:

多くのタイ人が日本を観光地として訪れています。日本からタイへ向かう観光客と、タイから日本へ来る観光客はほとんど同じ数になっており、近年ではタイから日本に来るひとの方が増えている年もあります。
日本の風景、歴史的名所、食文化はタイ人にも非常に人気が高いです。

タイ人の特徴②:信心深い

外務省の統計ではタイ人は人口の90%以上が仏教、5%がイスラム教となっています。このことから、仏教の影響を受けている方が多く、信仰心が深い方も多くいます。

仏教の影響

タイはおもに上座仏教の影響を受けています。上座仏教はシッダールタ・ゴータマ仏にもとづく教えで、悟りをもとめる精神的な修行が強調されています。
多くのタイ人は仏教の教えに基づいて生き、信心深く宗教行事や瞑想を行います。

仏教と文化の一体化

仏教はタイの文化と密接に結びついており、仏教の儀式や行事は日常生活に根づいています。宗教と文化の一体化によって多くのタイ人が自然なかたちで信仰活動に参加し、信心深さが醸成されているといいます。

僧侶との関わり

タイでは「僧侶」は尊敬を受ける存在であり、多くの人々が仏教僧との交流や寄付を通じて功徳を積むことを重視しています。
僧侶は信者に対して教えを説き、悩みや問題に対して精神的なサポートを提供することが期待されています。

タイ人の特徴③:温厚でやさしい

一般的にタイ人は温厚でやさしいといわれています。タイの文化には「サヌック」と呼ばれる言葉があり、これはおおよそ「楽しさ」や「くつろぎ」を意味します。タイの人々は一般的に親しみやすく、他者との円滑な関係を大切にします。

以下はタイ人が温厚で優しいとされる理由のいくつかです。

ただしこれらは一般的な傾向であり、すべてのタイ人が同じような性質を持っているわけではありません。個々の性格や環境も影響します。

またタイの社会も多様で、都市部と地方などでも文化や慣習に違いがあります。

笑顔と親しみ

タイ人は笑顔が特徴的で、他者とのコミュニケーションにおいても親しみやすさが感じられます。笑顔はポジティブな意味を持ち、相手に対する優しさや歓迎を表現する手段となっています。

社会的な和

タイの文化では社会的な和を重んじる傾向があります。他者との調和を大切にし、紛争を避けることがおすすめされます。このため穏やかでやさしい態度が一般的です。

親の尊重

タイの文化では親の尊重が強調されており、子供たちは親に対して感謝や敬意を示すことが期待されます。このような価値観が他者にも敬意を払う文化を形成しています。

タイ人の特徴④:教育に力を入れている

タイの青年識字率は98.1%(2018年調べ)もあり、これはアジアでは日本やシンガポールとならぶ高さです。

タイでも当然ながら高い学歴を持つことで、専門的な職業や企業でのキャリアの進展に有利です。それゆえに学習意欲は高く、就学率も高いです。
とくに15歳までの義務教育者を理由なく就学させなかった保護者は罪に問われるため、保育園や幼稚園は74%、小学は104.8%(外国人や就学遅れを含むため)、中学の前期は95.6%、後期は68.1%と高い就学率を誇っています。

また1999年より義務教育期間が延長されたため、タイ国内の学習意欲と学歴社会ぶりはますます高まり、現在では義務教育ではない大学への進学率も60%を上まわっているようです。

出典:JICA タイ王国 資料

タイ人の特徴⑤:一緒に仕事をする上での注意点

タイで働く上で成功するためには、文化やビジネス習慣に対する理解を深め、尊重し、適応することが重要です。以下は、タイで働く際に考慮すべきいくつかのポイントです。

  1. 敬意と礼儀:
    タイの文化では敬意と礼儀が重要です。上司や年上の人に対しては敬意を払い、挨拶やお辞儀を適切に行うことが期待されます。感謝の気持ちを表すことも大切です。
  2. 柔軟性と忍耐:
    タイでは柔軟性と忍耐が重要視されます。ビジネスや仕事の進行が予測不可能な場合があるため、柔軟な態度がもとめられるでしょう。
  3. 仕事とプライベートのバランス:
    タイでは家族や社会的なつながりが重要視されるため、仕事とプライベートのバランスを大切にすることが一般的。残業やビジネス・ランチの機会を通じて人間関係を築くことも重要です。
  4. 冷静なコミュニケーション:
    直接的ではないコミュニケーションが好まれます。問題や不満がある場合でも、冷静で穏やかなトーンで話し合うことが望ましいでしょう。人前で特定の人物を怒るなどはNGです。
  5. 祝祭日や宗教行事の尊重:
    タイには多くの祝祭日と仏教の行事があります。これらに敏感で同僚や上司の休息や宗教行事を尊重することが重要です。
  6. 言語の尊重:
    タイではタイ語が公用語ですが、ビジネス環境では英語もよく使用されます。ただし基本的なタイ語の挨拶や言葉を知っていると、同僚やビジネスの相手に好意的に受け取られるでしょう。

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まとめ|タイ人を雇用して会社を成長させましょう!

外国人雇用は採用担当者にとって大きな問題でしょう。
しかしタイ人は日本人と通ずる部分も多く、彼らの性格を知るにつれて親近感が出ることも多いのではないでしょうか。つまりこちらが相手の文化をある程度知っておき、間違った対応をすることさえなければ大きな心配はないのです。

もしも外国人雇用を考えているのなら、ぜひタイ人の採用を前向きに考えてみてはいかがでしょうか?