日本では、少子高齢化に伴う労働人口の減少から、外国人労働者の受け入れを積極的に行っています。そのため、オフィスで外国人と顔を合わせることは珍しくなくなりました。

厚生労働省のデータによると、日本で働く外国人労働者数は2018年で約146万人、このうちベトナム人は約32万人を占めています。つまり外国人労働者の約5人に1人がベトナム人、ということです。また日本学生支援機構のデータによると、ベトナム人留学生は2018年5月で7万人を超えました。

日本在留のベトナム人は年々増加しており、ベトナム人と共に仕事をする可能性は非常に高いといえるでしょう。そこでこの記事では、ベトナム人を職場に迎える前に知っておきたい彼らの性格や国民性、向き不向きについてご紹介します。

ベトナム人はこういう仕事が得意

この章では、ベトナム人に向いている仕事についてご紹介します。どのような分野で力を発揮してくれるかを知ることで、効率的な指示出しができ、高い成果も得られることでしょう。

多い業種は?

ベトナムは第一次産業が強いため、約半数のベトナム人が農業・林業・漁業に従事しています。残りの半数は工業・建設業とサービス業が占めています。一方日本においてベトナム人が就く業種は、製造業が約8万6千人と最も多く、次いで宿泊業・飲食サービス業が約3万7千人、そして、サービス業、卸売業・小売業、建設業が2~3万人となっています(厚生労働省「2017年10月末の外国人雇用届出状況」)。

ベトナムでは第一次産業・第二次産業が大半を占める一方で、日本では第二次産業・第三次産業に従事するベトナム人がほとんどであることがわかります。

ベトナム人はこういうことが得意!

ベトナムは南北に長いため、北部と南部で性格に違いがあると言われています。そのため「ベトナム人」と一括りにせず、どちらの気質があるかを気にする必要があるでしょう。ベトナム人の性格については後の章で詳しく説明します。北部は真面目で合理的な人が多く、日本人に似た性格を持つと言われています。そのため、管理やデータの分析等の、「お堅い・頭を使う」仕事に向いているでしょう。

一方で南部の人は、おおらかで人懐っこい反面、いい加減なところもあります。そのためサービス業のような人と関わる仕事、コミュニケーション能力が必要とされる仕事に向いているでしょう。

ベトナム人との仕事での注意点はこれ!

ベトナム 女性

出身地によって向いている仕事が異なることはご理解いただけたと思います。ここではベトナム人に性格についてより詳しく説明し、ベトナム人と仕事をする上で気を付けるべきポイントをご紹介します。

ベトナム人の性格とは?

ベトナム人全体に見られる傾向として、「4K」という言葉を聞いたことがあると思います。4Kとは、「器用、勤勉、近視眼的、かかあ天下」を意味しています。

「器用」については、ベトナムの伝統工芸を思い浮かべれば明瞭ですね。質の高い服や食器を短時間で製作する能力があります。また、機械いじりも得意で、バイクの修理等は自分でこなしてしまうそうです。

「勤勉」はベトナム人の性格を表す際によく言われる言葉です。ベトナムでは儒教の教えが浸透しているため、常に向上心を持って知識や技術を学ぶ意欲があります。

「近視眼的」とは、先のことを考えず今の利益を優先してしまうことです。戦争や経済・政治的不安定を経験したために、「今日のうちに得られるものは得ておく」という考えが根付きました。ですから、未来での利益よりも現在の状態で物事を判断する傾向があります。

「かかあ天下」も歴史から言われます。戦争で男性が戦場に駆り出され、家を守るのは女性しかいませんでした。その結果一家の大黒柱は女性である場合が多く、今でも「お母さん」が一番強いのが一般的です。

ベトナム人の仕事観とは?

ここではベトナム人の仕事観を2つ紹介します。

1つめは、ベトナム人は勤勉であることから、仕事に対しても「新しいスキルを身に着けられるかどうか」を重要視しています。その仕事が自分のスキルアップにつながると分かれば、ベトナム人は日本人よりも熱心に学ぼうとするでしょう。日本においてもスキルアップの転職は受け入れられるようになってきましたが、ベトナム人はよりその傾向が強く、この仕事がプラスにならないと感じたら、その時はすぐに別の職場を探します。

2つめは、ベトナム人はとても家族思いのため、家族との時間を犠牲にしてでも働きたいとは考えていません。そのため長時間の労働や休日出勤は好まない傾向があります。日本人は上司や同僚との付き合いを、仕事上必要なものと考え大切にしますが、ベトナム人にとっての最優先は家族なので、飲み会や休日の集まり等はそれほど大切にしません。

ここに注意!

ベトナム人と仕事をする上で気を付けたいポイントを3つご紹介します。

1つめは、彼らはプライドが高いため、指導の際には配慮が必要です。他人と比較されることを好まず、失敗したくないという気持ちが強い人が多いので、その点を心得ておきましょう。ミスを指摘するのは1対1で、注意の仕方も、他人を例に挙げるなどはしないように気を付けなければなりません。

2つめは、時間にルーズな人が多いことです。先述した通り特に南部の人は大雑把な人が多く、先のことをあまり考えません。そのため納期に間に合わなかったり、ミーティングの時間に遅れて来たりする可能性があります。ベトナム人と働く際は、進捗の確認を怠らないことと、スケジュール管理についてよく面倒を見てあげる必要があるでしょう。

3つめは、転職です。勤勉で向上心の強いベトナム人は、その仕事がスキルアップにつながらないと感じるとすぐに他の仕事を探します。給与が上がらない場合も同様です。

長く働いてほしい場合は、目標を達成していると感じられるような環境をつくり、スキルと共に給与が上がるような仕組みを整えることも大切です。日本人よりも丁寧にコミュニケーションとり、彼らが何を考えて働いているのか、何か不満がないかなどに気配りをしながら働くことが大切でしょう。

メリットはこれ!

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ベトナム人を働くメリットを2つご紹介します。

1つめは、彼らは協調性があるため、他の国の人よりも一緒に仕事がしやすいということがメリットです。ベトナム人は人と一緒にいることが大好きですので、外国人だからと言って壁を作るようなことはせずに、積極的に関わろうとしてくれます。日本人は外国人と関わることに慣れていないため、向こうからコミュニケーションをとる努力をしてくれるということは、思っている以上に大きなメリットとなるでしょう。

2つめは、ベトナム人には忍耐力があることです。ベトナムでは過去に様々な問題が起こりました。しかし戦争の被害や政経の不安に負けず再建してきたのは、彼らの粘り強さがあったからです。仕事において何か問題があっても、すぐに投げ出すことはしないでしょう。精神的にとても強い国民なので、日本人よりも忍耐力を発揮するかもしれません。

ベトナム人と仕事をする上での注意点はおさえましたか?

いかがでしたでしょうか。この記事ではベトナム人と仕事をする上で知っておきたい国民性や、彼らと仕事をするメリット・デメリットについて説明しました。一言で「ベトナム人」といっても、いろいろな人がいます。

この記事で説明したことはあくまでも傾向が強い、という意味ですので、すべてが全ベトナム人に当てはまるわけではありません。大切なことは出身を問題とするのではなく、1人の人間として関わることです。