昨今は人材不足にともない、日本では外国人の雇用が増えつつあります。
近年、政府が進めている「在留資格の拡大」により外国人雇用は増加しており、企業としても外国人労働力は必要不可欠なものとなっています。

外国人労働力確保を行うには、雇用時に必要となる「在留資格の知識」や「外国人労働者の在留カードの保有の有無」など、外国人の雇用に関する知識は事前に確保しておいたほうがいいでしょう。
今回はその中でも、雇用時に必要となる「在留カード」についてご紹介していきます。

在留カードに番号が書かれている?

在留カード表裏

画像引用:出入国管理庁ホームページ

「在留カード」は運転免許証のようなカードのかたちをしており、記載内容については顔写真、生年月日といった個人情報はもちろん、国籍やアルファベットで記載された氏名などが表記されています。
ちなみに中国国籍の方は漢字での記載を選択できます。

在留カードには英数字で記載された12桁の番号があり、それぞれ意味や特徴についてお伝えしていきます。

在留カードとは

端的にいえば日本で仕事を行ううえでの許可証です。

在留カードは日本に3カ月以上在留する外国人に対して交付されるカードであり、交付される条件としては日本人と結婚している方や日本企業に勤めている方、留学や技能実習生の試験などに合格し就労する方などの、合計29種類から成り立っています。
そのうち働くことを目的とした資格は19種類です。

たとえば英語講師として日本企業に務める際には、在留資格「技術」という許可が与えられ日本での滞在と就労の許可が与えられます。
「留学」や「短期滞在」といった就労を目的としないものに対しては、資格の交付はありますが原則として就労はできません。

例外としては資格外活動としての許可申請を行うことで、週28時間以内であれば労働が可能になります。

在留カードはいつ必要なのか

在留カードにはそれぞれ「就労ができるもの」「就労ができないもの」があることは理解できたかと思います。
雇用時に在留カードの存在を知らずに、もし在留カードを持っていない外国人を雇ってしまうと「不法就労助長罪」という罪に問われ、懲役3年以下または300万円以下の罰金が課せられます。

この罰則の怖いところは、外国人を雇用する際に在留資格の確認を行わなかった場合も処罰の対象という点です。
「在留カードの存在を知らなかった」では済まされない、大きな問題になります。
企業は外国人雇用の際には、就労可能な資格を保持しているのかかならず確認する必要性があります。

在留カードの番号に意味はある?

在留カードには英数字8桁からなる、カード番号が記載されています。
このカード番号によって、そのカードが利用できるのか(有効期限が切れていないか)を確認できます。

このカード番号をもとに、在留カードの失効の有無を法務省ホームページ(出入国在留管理庁:在留カード等番号失効情報照会)から検索ができます。


確認方法は、就労者の持つ在留カードに記載のカード番号8桁を入力して検索するだけです。雇用するよりも前にカード情報の確認をおすすめします。

注意事項としては、在留カードの失効理由としてはは「有効期限切れ」がほとんどであるということです。
しかしごくまれに、在留カードの番号を利用した悪質な偽造カードも存在するため、必ずしも情報が正しいとは言い切れない側面もあります。

法務省ホームページ内でも「問い合わせ結果は在留カードなどの有効性を証明するものではありません」と注意勧告がなされています。
あくまで確認として行い、完全に結果を鵜呑みにしないよう注意することが必要です。

また、偽造カードと聞くと不安を感じるかもしれません。
しかしご安心ください。
在留カードには偽造防止対策として、絵柄の変化や文字色の変化といった4種類の加工を加えていますし、紙幣のような透かしの加工も行われています。

偽造カード対策は更新するため、最新情報を法務省入国管理局ホームページで最新の情報を調べましょう。

在留カードの番号は雇用時もチェックするべき?

チェック

この記事をご覧いただき、外国人の雇用について興味を持たれた方も少なくないでしょう。
いま現在雇用している、今後雇用を考えている方は在留カードについての情報は必要不可欠です。
在留カードの番号情報や申請方法について事前におさらいをしておきます。

面接時に在留カードのここをチェック!

最初に確認することは、「在留カードを所持しているかどうか」です。
所持をしていない場合には、「入国管理局に申請」する必要があります。

申請時には在留カード取得条件を満たしているか審査が行われ、満たしている場合のみ就労の許可がおります。

在留カードの取得条件としては、これまでの学歴や職歴の提出が求められるので、取得予定の在留資格に何が必要なのか事前に調査する必要があります。
とはいっても在留カードは法律に関することが多いため、初めてという方には難しく感じられるでしょう。
その場合は、入国管理局の担当者や弁護士など、専門の方にご相談ください。

所持している場合は在留カードの番号を確認し、法務省保ホームページより在留カードが失効していないか確認を行いましょう。
あくまでも確認となりますので、ご自身の目で在留カードに記載されている有効期限や、就労可能な資格か確認しましょう。

期限については在留カードの表面に記載があり、日本政府から発行される在留カードは種類ごとに有効期限が異なります。
通常は「5年間の有効期限」ですが、永住者や高度専門職2号の方には、交付日から7年間の有効期限があたえられます
保有資格によって有効期限が異なるため、期限がいつまでなのか事前に確認しましょう。

引き続き日本に在住する場合は更新の手続きが必要であり、手続き自体は有効期限が切れる日の2ヶ月前から行えます。

手続きを終えたら交付までに時間を要するため、期間内に有効期限が切れてしまった場合は、在留カードの裏面に更新した旨の記載があれば、有効期限が切れた当日から二カ月間は利用できます。
あくまでも更新手続きを行った上での期間です。
申請の有無、有効期限の確認は怠らないようにしましょう。

また更新手続きの際には、在留カード番号が変わることがあるのでご注意ください。

在留カードの番号について詳しくなりましたか?

女性

人材不足にともない労働力の低下が著しく現れている現代社会。企業としても外国人雇用に力を入れていく必要があります。

そのため在留カードの存在を事前に知っておくことで、雇用に対する壁を低くしておく必要があります。
政府も不法な労働を避けるために、在留カードの番号確認や偽造カード防止対策などに力を入れています。

 

▼在留カードについては、こちらの記事でも説明しています。

在留カードとは? 基礎的な内容から更新まで詳しく解説!