フィリピン人は、東南アジアの他の地域と比べて、独自の文化や習慣があります。
スムーズな外国人採用を実現するために、フィリピン人の特徴を事前に理解しておくことが大切です。
フィリピン人の文化や考え方を理解して、寛容性を持ってフィリピン人と接することで、ギャップも少なく適切なコミュニケーションを取ることができます。

本記事ではフィリピン人の特徴の中でも、雇用を検討する場合に把握しておくべき6つの内容をご紹介します。

フィリピン人の特徴①:フレンドリーな人柄で親しみやすい

フィリピン人は温和でフレンドリーな人が多く、とても親しみやすい性格です。
ほとんどの人が好意的にコミュニケーションをとってくれるため、フィリピン人と交流をはかりたい場合は積極的に話しかけましょう。

また、フィリピンは1年を通して暖かく、この気候は国民の生活様式や心の温かさにも大きな影響を与えています。日々の穏やかな天候が、多くのフィリピン人の楽観的で陽気な性格を育んでいます。
お祭りが大好きで、自宅にはパーティー用のカラオケを設置していることもあるなど、明るく楽しく過ごせる時間を好む人が多く、他人を歓迎する寛大さや困っている人を助けようとする優しさを持ち合わせています。
その他、温和で優しい性格から争い事を好まないのも大きな特徴のひとつです。

フィリピン人の特徴②:家族第一で生活している

フィリピン人にとって、家族は人生において一番重要な存在です。
また、自分の家族だけでなく恋人やその家族も同様の存在です。フィリピン人は家族や恋人などの身近な人との繋がりをとても大切にしています。

家族・恋人が体調不良の際、日本では(仕事への責任感が評価される傾向があるため)多くの人が仕事を優先しますが、フィリピン人は仕事を休んで家族の面倒を見ることが常識です。
フィリピン人から「家族の体調が悪いので、仕事を休ませて欲しい」と連絡が来ることがありますが、頭ごなしに拒否してしまうと仕事を辞めてしまうこともありますので、対応には注意しましょう。

フィリピンの家族構成

フィリピンは大家族が多く、1家に5〜7人の子どもがいる家庭も珍しくありません。
人口分布は年齢が若いほど多く、年齢が上がるにつれて徐々に減少していく、ピラミッド型となっています。
大切にしたい家族の人数が多い分、家族の体調不良で休みを取るフィリピン人も少なくないということを覚えておきましょう。

フィリピン人の特徴③:国民の8割以上がカトリック信者

フィリピンはASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国の中で唯一のキリスト教国です。
外務省の発表では、フィリピン人の83%がカトリックであるとされています。(その他のキリスト教が10%、イスラム教が5%)
(参考:外務省「令和5年3月1日 フィリピン共和国(Republic of the Philippines)基礎データ」)

この宗教的背景から、フィリピン人の価値観や行動には他のASEAN諸国との一定の違いがあります。
例えば、カトリック教徒の多いフィリピンでは中絶や避妊、離婚が教義に反するため、これらの行為は禁止されています。また、カトリックでは自分が犯した罪を自白して赦しを願う「告解(ゆるしの秘跡)」というものがあるように、罪の意識が強いことも特徴です。

こういった背景から、日本人の多くがあまり気にしないような些細なことでも、カトリックを信仰しているフィリピン人は「罪」と重く捉えてしまう場合があります。

フィリピン人の特徴④:独特な恋愛観を持っている

フィリピン人の恋愛は情熱的です。
連絡やスキンシップの頻度はとても多く、身近な人を大切にするフィリピン人にとって恋人は人生における最重要項目の一つになります。

男女間の恋愛観に大きな違いがあることも特徴的です。
男性はとても積極的で、一目惚れしたその日から毎日連絡することも珍しくありません。
レディファーストの姿勢も持ち合わせており、女性に尽くす反面、積極的すぎるが故に恋人以外の女性にも声をかけてしまう事が多々あります。

反対に女性から声をかけることは少なく、恋愛に対して女性は基本「待ち」の姿勢です。
しかしながら、恋愛が始まると嫉妬深く独占欲が強い女性が多いようです。
この感情の激しさは愛情を示す一面でもあり、素直さを表す要素とも言えます。ストレートに物を言う女性も多く、パートナー間では女性の地位が高く、家庭や仕事を仕切ることも一般的です。

フィリピン人の特徴⑤:献身的に仕事に取り組む

大家族の多いフィリピン人は、生活水準を向上させるために献身的に仕事へ取り組みます。
その分、多くの人が自分の仕事に対して誇り高く、プライドを持っています。
日本人のように「空気を読む文化」ではなく、ストレートに感情や思考を表現する傾向があり積極的に自身の能力を証明する所が特徴です。

フィリピン人は問題や課題を解決するための努力を惜しみませんが、人前で厳しい注意をされるなどプライドが傷つくことがあると、その後のコミュニケーションに支障をきたすことがあります。
一対一の場で建設的なフィードバックや指導を行い、協力的な雰囲気を築くことが良い結果を生み出す秘訣です。
フィリピン文化に敬意を払い、協力的な姿勢を持つことで、円滑な関係を築いていきましょう。

フィリピン人の特徴⑥:計画を立てることが苦手な人が多い

フィリピン人は陽気な性格の反面、楽観的に考えてしまう部分もあり、細かく計画を立てて行動することを苦手とする人もいます。
「フィリピンタイム」という言葉があるように、ほとんどのフィリピン人は時間を守りません。
日本ではあまり考えられませんが、フィリピン人は集合時間より遅く来るのが常識とも言われています。
集合時間ぴったりに到着すると、待ち合わせ相手を急かしてしまうとフィリピン人は考えています。また、時間を守らないばかりか当日の予定をドタキャンするなんてこともあるようです。

フィリピン人の楽観的な性格は良い部分ではありますが、納期のある仕事の場合、期日に間に合わなくなるトラブルに繋がる事もあります。
業務で締め切りや納期が近づいてきた際には、フィリピン人の従業員にはリマインダーやフォローアップを行い、時間に関する重要性を再確認しましょう。

フィリピン人の特徴は押さえられましたか?

前述の通り、フィリピン人とはなるべく友好的な関係を築くことが望ましいです。
フィリピン人は人間関係を大事にしている為、職場の人とはいえフランクで近しい関係を好みます。
友好的に接してもらう事で会社が居心地良く感じ、「仲間の為に」という思いで仕事も一生懸命取り組みます。また、逆も然りで関係が希薄であるとそこまで精を出して仕事に取り組んでくれません。

日本人は仕事とプライベートを分ける人が多いですが、フィリピン人を雇用する際は、食事に誘うなどフランクな関係を心がけましょう。友好的なコミュニケーションはフィリピン人の意欲向上にもつながります。
フィリピン人と働く際は日本との文化の違いに留意することが大切です。

国民性を理解し、適切なコミュニケーションを取ることで、よりスムーズなフィリピン人採用を実現できるでしょう。