南米でも日系人が多かったり、在日のかたが多いブラジル。物理的な距離では地球の正反対ですが、その割には身近に感じている方も多いのではないでしょうか。

英語を第2言語にもつ100か国のランキングでは、日本は53位なのに対してブラジルは59位となっており英語力は「低い」の評価を受けております(EF EPI 2019)。

しかし、日本に比べてブラジルの方が国土も大きく、貧富の差は日本の比ではありません。そのため、平均値を出してしまうと日本より下になってしまうのは当たり前といえるでしょう。今回は、そんなブラジル人の英語力について迫りたいと思います。ブラジルの歴史や文化的な背景から、英語教育、英語の鈍りまで詳しく解説します。

ブラジル人は小さい頃から英語が話せる?

ブラジル人の子供

ブラジルの一般的な英語力は、日本と同程度か少し低い程度ですが、子供の頃の英語力はどのレベルでしょうか。近年では、経済危機などをきっかけに公立学校の教育費を真っ先に削ったことでデモが起きているなどのニュースを多く目にします。

子供の頃の英語力を測るためには、こうした教育制度や文化的な背景についての理解が必須です。そのためまずは言語を語る上での文化的な背景と、子供の頃の英語教育について紹介します。

ブラジルをまずはおさらい

まずは基本的なブラジルのデータについてです。ブラジルの国土は日本の約23倍ととても広く、人口は約2億人と日本の倍になります。

歴史的には、1500年にポルトガル人ペドロ・アルヴァレス・カブラルに発見されたことをきっかけに、長らくポルトガルの統治下となっており、1820年にポルトガルから独立を果たしました。

そのため、公用語はブラジルポルトガル語となっております。一般的なポルトガル語とはかなり異なるブラジル鈍りがあるポルトガル語です。イギリス英語とアメリカ英語よりも、大きく異なるため「ブラジル語」と略称されることも多いです。

また、日本も1908年から戦前戦後にかけて約25万人がブラジルに移り住みました。今では160万人ものコミュニティになっており、日本との関係が深い国です。

ブラジルの英語教育とは?

ブラジル人ら

ブラジルでは、日本の小・中学校に当たる6才から14才までの期間が義務教育期間にあたります。そして、貧しい子が実質無料の公立へ、中・高所得層以上であればお金のかかる私立学校へ通う傾向があります。

英語教育の期間は、11才からの17才の6年間。先述の通り、公立学校は無料ですが国は教育費を捻出できておらず、学校の最低限の設備や教師の質が担保されていません。そのため教育環境の質は、教師やカリキュラムの点ではやはり私立学校がはるかに公立学校よりも良いです。しかし、日本の英語教育と同様に実践的に語学を学ぶには至らないようです。

また、富裕層家庭になればなるほど海外に出るのに英語が必須、という事実を知っています。そのため、一流大学に進むような生徒であったとしても高額な授業料を支払い、語学学校でより実践的な英語を学ぶこともあるそうです。

ブラジル人の英語は訛りがあるの?

ブラジル人

ブラジル人の英語の教育水準はあまり高くないことがわかりましたが、英語を話すことができるブラジル人が話す英語には鈍りはあるのでしょうか。

日本よりも貧富や地域格差がはっきりとしているため、一概にこのレベルというのは非常に難しいですが、ブラジル全体としての一般的な鈍りや、留学生の人数、英語圏へ留学するケースはどれくらい多いのかを見ていきましょう。

一般的には…

一般的にブラジル人が話す英語には、ブラジルポルトガル語の影響を受けた特有の鈍りがあるとされています。

ポルトガル語やスペイン語では、英語と同じ意味で綴りが同じだけど、発音が違うという言葉を多く持ちます。そのため、簡単な英語でも母国語のポルトガル語の発音に寄ってしまうことが多いようです。しかし、大きなブラジルの中でもサンパウロなどの都市部にいる若者は、比較的綺麗で流暢な英語を喋る傾向にあります。

留学生も多い?

ブラジルは留学生の数が年々増加しています。2018年では、365,000人もの学生が海外に留学しています。カナダ、アメリカ、イギリス、アイルランド、オーストラリアといった英語圏が最も人気な渡航先になっています。

こうした英語圏に留学経験をもつ留学生は例外的に、英語の発音も一般的なブラジル人より、鈍りが少ない綺麗な英語を話すことが多いです。

また、こうした英語圏に渡航できる留学生は、総じて富裕層の家庭を出ている割合も多いです。そのため、子供の頃から教育水準の高い私立学校に通ったり、ブラジル国内にある語学学校で既に英語を学んでいるケースもあり、英語レベルは一般的なブラジル人よりも非常に高いです。もし日本でブラジル人を採用するのであれば、こうした英語圏への留学歴を英語力を測る指針にするのも手段といえるでしょう。

日本で働くブラジル人は英語ペラペラ?

ブラジル人 男女

日本で働くブラジル人は比較的、英語を流暢に喋れる人が多いです貿易関係や、エンジニア関係などの多国籍な職場では、英語を求められることも多いことからでしょう。

日本で働くケースとして求められるのは、母語であるポルトガル語は必須で、日本語と英語を最低限話せるケースもしくは、英語を必須にしているケースの2つのパターンがほとんどでした。そのため日本人から見たときは、日本で働くブラジル人は英語がペラペラに見えます。

また、ポルトガル語を重視する採用ではそれほど英語が流暢ではないこともありますが、こうしたケースは「ポルトガル語と日本語さえ喋れれば良い」という商社などにみられました。

ブラジル人が多い業種は?

ブラジル人が多い職種は、インバウンド事業や、貿易関係、エンジニアなどの英語や異文化への理解を重視した業種が多いです。

また、こうした職場では他業種に比べて、チームでのプロジェクトやコミュニケーションが求められる職場です。明るく気さくな性格が多いブラジル人であれば、こうしたコミュニケーションを必要とする業種で輝けるでしょう。加えてこうした職種では、多国籍企業であることが多いため、多民族国家であるブラジル人は適任です。多人種、多宗教の人が身の回りにいることに慣れているのは、こうした職種では大きなアドバンテージになります。

ブラジル人の英語事情について詳しくなりましたか?

今回はブラジルでの英語の特徴や英語教育などに関して、またブラジル人のキャリアに関して紹介しました。

英語が喋れるか?という点に関しては、一般的なレベルではノーと言わざるを得ません。しかし、都市部に住む中上流階級の家庭では英語教育が行き届いており、英語を話せる人が多いです。また、コミュニケーションの観点で言えば、彼らの明るく気さくな性格もあり身振り手振りなどの非言語的なコミュニーケーションを用いて、意思疎通をとることができます。これは日本人に比べて、高いスキルといえます。

多民族国家かつポルトガル語がメインであるブラジル。現在は日本で見かける機会も少ないかもしれませんが、日本は人口減少によって外国人労働者も増えていくとされています。

今後は今まで以上に、会社内でも接する機会は増えていくことでしょう。職場や、旅行に行った際でも、気さくで明るいブラジル人とのコミュニーケーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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