あらゆる業界で人手不足が叫ばれている昨今。高賃金でありながら働き手がなかなか集まらない業種もあり、従業員の確保に苦心している事業主が多いのが現状です。働き手がいなければ満足のいくサービスは提供しにくくなり、経営が苦しくなる企業が現れることも考えられます。

ここでは人手不足の業界を5つ紹介。どのような問題から働き手が不足しているのか見ていきましょう。

人手不足ランキングを見てみよう

表彰

紹介するのは特に人手不足が深刻な業種です。一見すると「華やか」「給料が高そう」など魅力的に感じる、あるいは「この業界が人手不足なのか」と意外に思うかもしれません。が、世の中のイメージと反して人手不足にあえぐ業界なのは事実ですので参考にしてみてください。

5位:旅館・ホテル(宿泊業)

観光立国として名高い日本において重要産業である宿泊業。国内外の観光客の増加によって今後さらに成長する産業といえるでしょう。

そんな花形産業ともいえる宿泊業ですが、人手不足は思いのほか深刻。平成30年労働力調査によると、旅館利用者数は2012~2017年で7000万人近く増加しています。海外からの観光客もこの5年で5300万人以上増え、この傾向は今後ますます加速していくと思われます。

離職率の高さも人手不足に拍車をかける事態に。年間の休日が他業種より少ない・深夜早朝の変則勤務が多い・予想以上に体力仕事であるなどの理由から、飲食業など他のサービス業以上に人が定着しないのが現状です。また、いわゆる「高級旅館」になればなるほど接客マナーに厳しいため、完璧にスキルを身に着ける前に離脱してしまう例があると

4位:放送

華やかさに憧れて目指す若者が多い放送業界。メディアの一翼を担う業種なだけに、人気が集まるのは当然かもしれません。

ですが放送業界は他業種以上に劣悪な環境であることも多々あります。広告費の削減により製作費が大幅に削られる・残業時間が異様に多いなどの理由から、昨今では「非常に過酷な業界」だと言われるほど。また、かつては花形部署とよばれ人気の高かった番組制作部には人が集まらず、むしろ敬遠されることも多いのが現状です。

「番組の質が落ちた」などと視聴者から苦情が入る背景にも、放送業界の疲弊が関係しています。一人当たりの業務量が増える、けれどその業務をこなせる人がほとんどいないとなれば、クオリティを落としてどうにか期日までに間に合わせる「やっつけ」仕事になるのは避けられないでしょう。

視聴者に満足してもらえる番組を制作するはずが、逆に視聴者の不評を買ってしまう背景には、業界全体の人手不足が大いに関係しているのです。

3位:医薬品・日用品雑貨小売り

日常生活を送るうえで医薬品や日用雑貨の存在は欠かせません。小売店に足を運べばいつでも手に入る便利さの背景には、これらを販売する小売業界の人手不足が存在しているkとを知るべきでしょう。

医薬品や日用雑貨を含む小売業では労働時間の長さが問題視されています。平成28年厚労省調査によると、小売業の労働時間は全産業中でもっとも長いという結果に。有給休暇取得率も宿泊業などに次いで低いことも明らかになっています。

商品の陳列や発注といった主たる業務に加え、取り扱い製品の増加により業務量が増えてしまう例も見受けられます。新商品の販売のために売り場面積を確保しなければならず、そのために売り場を拡張するなど業務負担が過重になりがち。医薬品や日用雑貨はまだ少ないですが、食品を扱う小売業ではセールのたびに売り場を広げたり新商品を捌いたりするため、残業時間が長くなるケースが少なくありません。

2位:建設

ハードな仕事のイメージが強い建設業。その分待遇も良いと考えがちですが、人手不足の影響で人件費や建設コストは増大し、業界全体の疲弊につながっているのが実態です。

きつい・汚い・危険の3Kのイメージがついているため、あえて建設業を選ぶ働き手、特に若年層が極端に少ないのが人手不足の主な理由です。季節に関係なく外での作業、体を酷使しながらの肉体労働、衛生的でない環境などがどうしてもついてしまうため、建設業を敬遠する傾向にあります。

常に危険と隣り合わせの環境なのも事実。高所での作業や重機の使用などには危険がつきものであり、場合によっては大事故につながりかねません。

加えて待遇面など福利厚生が他業種より徹底されていないことも少なからず関係しています。肉体労働の割には満足のいく給料ではない、しかも日給制なので作業の進捗や天候によって稼ぎが左右されてしまうことから、一般労働者以上に離職率が高いのも現状です。

1位:情報サービス

外国人採用 ポイント

近年成長がめざましい業界である情報サービス業。ネットワーク・セキュリティ・ウェブコンテンツ・情報処理・クラウドサービスなどあらゆる分野で売り上げを伸ばしています。

2018年に帝国データバンクが調査したところによると、情報サービス業での正社員不足が顕著であるという結果に。ITの進展にともない年々その市場規模を拡大している一方、多くのIT企業はエンジニアの確保に苦心するなど悩みをかかえているのが実情です。

下請けや孫請けといった業界特有の構造も、人手不足を生む要因に。仕様変更や厳しすぎる要望などが理由で残業や休日出勤を迫られることも珍しくありません。工程の下流に行けば行くほどこうしたブラックな構造になっていきます。

在宅でも仕事ができるようにとフルリモートワークを導入しているIT企業もあるとはいえ、業界全体での浸透率はそこまで高くありません。

人手不足の業界ランキングに入っていたら

業界へのイメージは一朝一夕に変えることはできません。少しでもコストカットを図りながら人手を確保するのは容易ではないことも、多くの企業はすでに知っています。

以上に挙げたランクに入っているからといって従業員の待遇をこれ以上低めるのは得策ではありません。日本人労働力だけに依存するのではなく、外国人の力をも借りて人手を補うことが求められます。

今すぐ対策を

コスト削減をはかりながら労働力を確保するには、より精度の高い仕事ができる人材かを見極めて採用する必要があります。決してたくさんの人数は採用しないけれどその分賃金は多めに支払う・異動や転勤など労働者に多大な負担をできるだけかけさせない・有休をいつでも取得できるよう配慮するなどの措置を講じることで、人手不足や離職に一定の歯止めをかける努力も必要でしょう。

機械やAIではなく人力でなければ仕事の質が保証されないような業務に対しては、人手を多めに確保したり、賃金を上乗せしたりする措置も求められます。要は、かけるべきところでコスト投下を惜しまないということ。業務の質をそれなりに望むならば、高いレベルの仕事ができる人材を揃えなくてはなりません。仕事のレベルの割には待遇がいまひとつと従業員に思われれば、人手不足の問題は解消できないと考えられます。

外国人採用も視野に入れよう

外国人労働力を積極的に活用することで人手不足を改善する方法があります。今や外国人労働力なしには成り立たない業界(コンビニのような小売業など)も存在するほど、日本は慢性的に労働力不足にさらされているからです。

専門的な知識や技能を持つ外国人を高待遇で迎え入れれば即戦力になるし、逆にそうしたスキルのない外国人でも事務職や一般職として採用することで、業界全体の人手不足をある程度解消できるといえます。日本国内の人材にばかり頼るのではなく、外国人を積極的に登用して業界の活性化をはかることが求められています。

外国人労働力では何かと不安、と感じる雇用主がいるかもしれません。が、仕事をこなせる能力を持っているならば、外国人労働力に頼ることには何の問題もないはずです。

外国人を採用するにあたり在留資格を取得しているかどうかの確認を忘れてはいけません。

「就労の制限のない在留資格」ならばどのような仕事に就くことも可能。日本人と同様にあらゆる仕事ができるため、高いスキルを要する仕事であれ事務的な仕事であれ、まずは求職外国人が当該資格を取得済みか確認してから採用活動をおこなう必要があることを付け加えておきます。

人手不足の業界について詳しくなりましたか?

ウェイター男

人手不足の常態化が経済に与える影響は小さくありません。産業構造の変化や労働力の省力化などを理由に、上記で挙げた業界が今後さらに人手不足に追い込まれれば、需要と供給のアンバランスはますます大きくなっていくと言えるしょう。

業界が外国人採用に消極的では今後ますます人手不足は進行し、業界全体が疲弊してしまいます。安易なコストカットで乗り切るのではなく、投じるべきところにコストをかける・外国人労働力を活用するなどして人手を確保する必要があるのではないでしょうか。