在留期間とは、外国人が在留資格を持って日本に滞在できる期間のことです。在留期間は在留資格とともに決まり、外国人はその決まった在留期間のみ日本に滞在することができます。

今回の記事では在留期間について解説します。外国人を雇用している経営者様や企業様にとっても役立つ情報ですのででぜひチェックしてください。

在留資格には在留期間がある?

期限

外国人が日本に滞在するには在留資格が必要です。よく就労ビザという言葉を耳にしますが、こちらは正式な名称ではなく在留資格を慣用的に呼んでいるものです。この章ではこの在留資格について解説させていただきます。

在留資格とは

在留資格とは、外国人が日本で活動することを認められていることを証明する資格です。日本に滞在する外国人は、入国した後に発行される在留資格によりどのような活動ができるか、どれくらいの期間滞在できるかが決まります。

在留資格には様々な種類があり、医療、介護、技能、技術など行うことができる仕事の種類や在留期間がそれぞれ決まっています。

在留期間早見表をチェック

この章では各資格ごとの在留期間がどれくらいなのかを一覧できる早見表を紹介します。各資格によって在留期間が異なりますのでチェックしてください。

身分系在留資格

身分系在留資格には就労制限がありません。日本で違法ではない限りどのような仕事にも就け、労働時間の制限もありません。

種類 概要 在留期間
永住者 永住権の所有者。在留資格の更新必要なし 無期限
日本人の配偶者など 日本人と結婚した者、もしくは日本人の子供になった者 5年、3年、1年または6ヶ月
永住者の配偶者など 永住者と結婚した者、もしくは永住者の子供 5年、3年、1年または6ヶ月
定住者 上記以外の者。例:日本人の配偶者などの子供 5年、3年、1年または6ヶ月、もしくは5年以内で法務大臣が各々について指定する期間

外国人 女性

就労可能な在留資格

就労可能な在留資格ですが、資格ごとに就ける仕事が決まっています。

種類 概要 在留期間
外交 外国政府の大使、公使およびその家族など 外交を行う期間
公用 外国政府の公務従事者およびその家族など 5年、3年、1年、3ヶ月、30日または15日
教授 大学教授など 5年、3年、1年または3ヶ月
芸術 音楽家、画家、作家など 5年、3年、1年または3ヶ月
宗教 海外の宗教団体から派遣される宣教師など 5年、3年、1年または3ヶ月
報道 海外メディアのライターやカメラマンなど 5年、3年、1年または3ヶ月
高度専門職 ポイント制による高度人材 5年、3年、1年または3ヶ月
経営、管理 企業の経営者、管理者など 5年、3年、1年または3ヶ月
法律、会計業務 弁護士、会計士など 5年、3年、1年または3ヶ月
医療 医師、看護師など 5年、3年、1年または3ヶ月
研究 政府が関係している機関や企業の研究者など 5年、3年、1年または3ヶ月
教育 高校、中学校の語学教師など 5年、3年、1年または3ヶ月
技術、人文知識、国際業務 機械工学の技術者、通訳、デザイナーなど 5年、3年、1年または3ヶ月
企業内転勤 海外の企業からの転勤者 5年、3年、1年または3ヶ月
介護 介護福祉士 5年、3年、1年または3ヶ月
興業 アーティスト、俳優、プロスポーツ選手など 3年、1年、6ヶ月、3ヶ月または15日
技能 海外料理の調理師、スポーツ指導者など 5年、3年、1年または3ヶ月
技能実習 技能実習生 最長3年

就労不可もしくは制限のある在留資格

就労が認められてない種類の資格でも、資格外活動許可を受けた場合は一定の範囲内で就労が認められます。

就労不可の種類 概要
文化活動 日本文化の研究者など 3年、1年、または6ヶ月
短期滞在 旅行者、会議参加者など 90日、30日または15日
留学 大学、高校、日本語学校の学生など。 4年3ヶ月、4年、3年3ヶ月、3年、2年3ヶ月、2年、1年3ヶ月、1年、6ヶ月または3ヶ月
研修 研修生。 1年、6ヶ月または3ヶ月
家族滞在 就労資格で在留する者の配偶者、子供。 5年、4年3ヶ月、4年、3年3ヶ月、3年、2年3ヶ月、2年、1年3ヶ月、1年、6ヶ月または3ヶ月
就労制限がある種類
特定活動 ワーキングホリデー、外交官の使用人など。 5~1年、6ヶ月、3ヶ月または5年以内で法務大臣が各々について指定する期間

在留期間が切れた外国人を雇うと逮捕される?!

逮捕

2020年には東京オリンピックが開催され、今後ますます外国人を雇用する日本の企業が増えてきます。その一方で外国人労働者を雇う際に懸念されるのが不法就労です。この章では在留期間が切れていたり、就労資を持っていない外国人を雇用するとどうなるかについて説明します。企業側が知らなかったでは済まされない問題ですのでぜひ最後までご一読ください。

不法就労助長罪とは

まず不法就労助長罪とは以下のいずれかに該当してしまったときに問われます。

  1. 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者。
  2. 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者。
  3. 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為または①②の行為に関し斡旋した者。

なお、以上のいずれかに該当した場合は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処され、不法就労助長罪がいかに重い罪であるか分かります。

不法就労になる例を次にあげますので、よくチェックしてください。

①旅行者として入国し労働する

観光のため短期滞在ビザで日本に入国した場合は就労資格がありません。

もし、旅行中になんらかのトラブルでお金がなくなったとしても、収入を得るために労働をしてはいけません。雇用側としては、旅行者を日雇いだとしても働かせ、報酬を払ったら不法就労助長罪に問われてしまいます。

②不正入国や在留期間が過ぎている

密入国の場合はもちろんですが、在留期間が過ぎている状態で働くことも不法就労になります。不正入国の場合は強制送還になり、在留期間を1日でも過ぎてしまうと不法滞在者になってしまいます。もちろんこのような外国人を雇ってしまうと不法就労助長罪に問われます。

③非就労資格で在留し、特別な許可を受けていない

就労が認められていない在留資格でも、資格外活動許可を得れば働いて報酬を得ることができます。留学生などがアルバイトなどをする場合、資格外活動許可を得れば問題なく、雇用側も安心して雇うことができます。

不法就労助長罪に問われないためには、在留期間が過ぎてないかや就労制限、資格外活動許可を得ているかなどを在留カードをしっかり見て確認する必要があります。分からないことや疑問など、不安があれば雇用する前に専門家に相談しましょう。雇用後の発覚ですと不法就労助長罪に問われてしまいます。

在留資格について詳しくなりましたか?

ジャンプ

在留資格には様々な種類があり、在留期間もまたそれぞれです。在留期間が無期限の永住者から、数日の観光目的などで利用する短期滞在など、資格以上に様々な背景の外国人が日本に来ます。

東京オリンピックをはじめ今後ますますグローバル化が進み、今現在よりも外国人労働者が増えるでしょう。そのため不正滞在や不法就労を防ぐため企業など雇用する側も、在留カードの確認などを徹底しなければいけません。少子高齢化が問題とされている日本では外国人労働者は貴重な存在です。長い在留期間で日本に滞在し、外国人労働者も雇う企業側も不安なく働けるような環境を作れるようにしていきましょう。