昨今、女性の活躍推進や少子高齢化などの背景から、家事支援を求める声が大きくなっています。
このニーズに対応するため、日本では家事代行活動をする外国人の受け入れを急速に拡大しています。

家事代行活動をしている外国人の中で、フィリピン人の割合は非常に大きく、その理由は様々あります。

本記事は、外国人の家事代行サービスの全容に加え、依頼する外国人の中でもフィリピン人が人気な理由について紹介します。

外国人の家事代行サービスとは

外国人の家事代行サービスとは、読んで字のごとく、外国人が依頼主の代わりに水回りの清掃や食器洗い・買い物などの家事をおこなうサービスです。
海外では当たり前のように利用されているサービスですが、最近は日本でも利用する家庭が増えています。

外国人の家事代行サービスが広まった背景には国の後押しがあります。
平成27年、内閣府により「外国人家事支援人材受入事業」の実施が可能となり、家事支援活動を行う外国人を積極的に受け入れる企業が増加しています。

今後、需要が増えるであろう外国人の家事代行サービスについて、まずは前提となる知識から理解しておきましょう。

外国人に頼める家事代行の内容

外国人の家事代行サービスでは、一般家庭でおこなわれる家事は基本的に可能な場合が多いです。
事業者ごとにサービス内容が異なる場合がありますが、政令では以下の内容であれば活動可能となっています。

  • 炊事
  • 洗濯
  • 掃除
  • 買物
  • 児童の日常生活上の世話及び必要な保護(前各号又は次号に掲げるものと併せて実施されるものに限る。)
  • 前各号に掲げるもののほか、家庭において日常生活を営むのに必要な行為

個人が日本人家政婦に依頼する場合、家事以外の仕事も少しだけ手伝ってもらうなど融通を聞かせてもらう場面があるかもしれません。
しかしながら、日本に在留する外国人の場合は国によって決められた活動内容以外を許可なくおこなってしまった場合、法律違反となります。

どこまでが依頼できる範囲なのか、あらかじめ確認しておく必要があることを忘れないようにしましょう。

「外国人家事支援人材受入事業」とは

平成27年、国家戦略特区の認定区域において、特定の家事代行業者が外国人を雇い入れることが可能になる「外国人家事支援人材受入事業」が開始されました。

これにより、以下のような家事支援に特化したスキルを持つ外国人は「特定活動(家事支援外国人)」の在留資格で申請が可能になり、日本で働く機会を得ることが可能になりました。

「特定活動(家事支援外国人)」在留資格を取得するためには、以下の条件が必要です。

年齢

申請者は満18歳以上である必要があります。ただし、送出国の法律によりさらなる年齢制限がある場合も考慮されます。

家事業務の実務経験

申請者は、家事業務に関する実務経験が1年以上ある必要があります。これは、家事代行や家政婦(ハウスキーパー)としての実際の作業経験を指します。

家事業務の知識・技能

申請者は、家事業務に関する知識と技能を証明できる必要があります。これは、家事業務に特化した教育機関での研修修了証明書や、政府が認定する資格を持つことを意味します。

日本語能力

申請者は、業務に必要な日本語能力をもっている必要があります。
日本で働くなかでのコミュニケーションとサービス提供のためであることはもちろん、日常生活を送るうえでも重要です。

 

「外国人家事支援人材受入事業」は、日本の女性活躍推進や少子高齢化における労働力不足に対処する取り組みの一環です。
この制度により、外国人労働者は日本での雇用機会を得られ、日本の家庭は家事サポートを受ける機会が増えています。

参考:国家戦略特区 家事支援外国人受入事業

家事代行サービスでフィリピン人が人気な理由

日本国内で利用が増加している外国人の家事代行サービスの中でも、特に多いのがフィリピン人による家事支援です。

実は、フィリピンは世界一の家政婦輩出国であり、フィリピン人による家事代行・家政婦(ハウスキーパー)は世界的に見ても質が高いサービスと言われています。

フィリピンは国を挙げて家政婦の育成に力を入れている

実は、フィリピンは国の政策として「家政婦の育成」に重点を置いています。
フィリピン国内には数多くの家政婦養成学校があり、卒業者には医者や弁護士などと同じように国家資格が与えられます。

家政婦の育成にこれほど力を入れている国は他になく、フィリピンは世界一の家政婦輩出国です。国策として力を入れているフィリピンでは、GDPのおよそ10%が家政婦サービスによるものとなっています。

国家資格を取得し、晴れてプロの家政婦となったフィリピン人は、国内に留まらず欧米やアジア諸国など国外でもサービスを提供しています。
中でも日本で働くフィリピン人は、同じアジア圏であることの安心感や、外国人による家事支援ニーズが高まっていることをメリットと考えていることが多いです。

フィリピン人の家事代行サービスを利用するメリット

日本でフィリピン人の家事代行サービスを利用して感じるメリットはたくさんあります。

フィリピン人による高品質な炊事・洗濯・掃除

炊事・洗濯・掃除に関して、フィリピン人はプロの資格を取得した状態で来日しています。

例えば掃除を依頼する場合、お部屋や廊下のみではなく、トイレやキッチンなどの水回りもほとんどの場合対応可能です。
自分ではなかなか掃除しづらい箇所も、専門的な掃除方法や使用する用具などの知識を持っているからこそ、適切に処理し、清潔な環境を整えてくれます。

フィリピン人の愛情あふれる子どもの世話

フィリピン人は、共感的で思いやりのある性格の人が多いです。
子供がいる家庭で日常的な世話を依頼したいと考えている場合、預ける相手を重要視しますが、穏やかで暖かい人柄のフィリピン人であれば安心して子供を任せられるでしょう。

オムツの交換やミルクの用意はもちろん、遊び相手など幅広く対応している場合が多いです。フィリピン人は何よりも家族を優先するほど家族愛に溢れているため、率先して子どもに接してくれます。

フィリピン人との会話による英語力の向上

フィリピン人はとても人当たりがよく、積極的にコミュニケーションを取ります。
フィリピンは英語を公用語として使用する国であり、多くのフィリピン人は英語を堪能に話すことができるため、コミュニケーションを取る中で日常会話程度の英語を教えてもらえたり試したりすることができます。

子供がいる家庭であれば、子どもにとっては日常的な英会話を聞ける貴重な機会になるでしょう。

フィリピン人の家事代行サービスについて詳しくなりましたか?

本記事では、外国人による家事代行サービスについてと、その中でもフィリピン人のサービスレベルが高く人気な理由について紹介しました。

現在、日本では家事支援活動をする外国人を受け入れる姿勢を整えており、フィリピンでは家政婦の育成を国策として力を入れて取り組んでいます。

国内利用者が増加すると予想されている家事代行サービス。その中でもフィリピン人による家事支援は今後さらに需要が高まります。
雇用する側として、雇用される側として、お互いの国の政策方針や意図を汲み取理、最適な採用活動をおこないましょう。