2019年10月現在、日本の大学を卒業後、国内で就職した外国人留学生の数が過去最多となりました。「優秀な外国人大学生を採用したい」と考える企業も増えており、外国人大学生の採用はますます注目を集めています。

しかし、「外国人学生って、日本にどれくらいいるの?」「どんな大学へアプローチすればいいの?」など、外国人採用への疑問を抱える採用担当者も多いはずです。この記事では、外国人大学生の現状と、外国人学生が多い大学ランキングをご紹介します。「外国人の大学生を採用してみたい!」と考える方は、ぜひご覧ください。

 外国人大学生の現状は?

今の文字

最近はコンビニや飲食店で若い外国人スタッフを見かけることが増えてきました。しかし、彼らの大半は「留学ビザ」で滞在している留学生だといわれています。

ここでは、日本の大学に通う外国人学生の人数や就職状況について、外国人大学生の現状をご紹介します。

 留学生数は年々UP

日本で暮らす留学生の人数は、10年前に比べて2倍に増加したと言われています。平成29年は267,042人だった留学生数は平成30年には298,980人となり、一年間で約32,000人も増えているのです。留学生の出身国は中国が最多で、つづいてベトナム、ネパール、韓国などアジア圏の国が上位を占めています。

 就職率は低い…

外国人 驚く顔

留学生のうち、日本での就労を希望する外国人は全体の64%にのぼります。

しかし、彼らが日本国内で働き口を見つけるのは難しく、就職率は約3割に留まっているのが現状です。外国人留学生の就職率が低い原因として、例えば以下の3つが挙げられます。

外国人留学生向けの求人が少ない

日本で就職を希望する外国人が増加する一方で、日本企業の受け入れ態勢が整備されていないという問題があります。外国人雇用のノウハウ不足や、外国人学生へのアピール方法を知らないなど、原因はさまざまです。また、留学生が日本で働くためには就労ビザの取得が必須ですが、こうした申請の難しさも外国人採用のハードルを上げいる一因かもしれません。

留学生向け就職活動の情報が不足している

外国人の大学生が就職活動をするとき、日本特有の「就活」が大きな壁となっています。例えば、履歴書の書き方やリクルートスーツの着こなしなどは、外国人にはとても難しいのです。また、海外では通年採用が主流のため、日本の「就職活動期間」の情報収集も留学生を悩ませています。

日本語による試験や面接が難しい

外国人採用において、日本企業は日本語能力の高さを重要視する傾向にあります。確かに、日本語を流ちょうに話せる外国人を雇用すれば、安心してコミュニケーションをとることができます。しかし、外国人が日本語を習得するのは非常に難しいことです。ひらがな・カタカナ・漢字の3種類の文字や文法、敬語の使い方、「ニュアンス」に苦戦している外国人は珍しくありません。外国人の大学生が就職活動をするにあたり、日本語の適性試験や面接対策はとても高いハードルとなっています。

促進するためのプログラムも!

日本政府は「日本再興戦略改訂2016」の中で、外国人留学生の日本国内での就職率を3割から5割へ引き上げることを目指しています。そこで実施されているのが、「留学生就職促進プログラム」です。日本の各大学は地域の自治体や産業界と連携して、外国人が就職に必要なスキルを学ぶための以下の取組みを行っています。

・日本語教育

留学生がビジネス日本語を学ぶための講座が開講されています。教室へ通うことが難しい外国人からは、ビジネス日本語の紹介動画も人気です。

・中長期インターンシップ

大学と受け入れ企業が連携し、1か月以上のインターンシップの機会を提供する取組です。外国人の大学生は「日本の会社のルールや慣習」を体験したり、日本語でのコミュニケーション能力を向上させることができます。

・キャリア教育

外国人が日本で働くためには、「入社後研修」や幅広い業務への配置など、日本独自の「企業文化」への理解が不可欠です。キャリア教育ではこうした日本の企業文化を理解したり、就職活動のノウハウや就職後の働き方などを学んだりする機会が用意されています。

外国人大学生が多い大学トップ3

学生いっぱい

企業が留学生を採用するためには、大学へのアプローチが重要です。外国人学生が多く在籍する大学であれば、優秀な学生と出会える可能性も高まるでしょう。ここでは、外国人学生が多い大学をランキング形式でご紹介します。

 3位:神戸国際大学

神戸国際大学は「Global Campus(グローバルキャンパス)」をスローガンに掲げ、国際交流に力を入れている大学の一つです。北米、ヨーロッパ、アジアなど海外30以上の協定大学があり、生徒の留学支援が充実しています。2019年度、神戸国際大学経済学部の留学生数は498人です。

また、「国際別科」では大学入学前に日本語能力や日本事情の基礎知識を習得するためのプログラムが実施されており、修了者は経営学部へ進学することができます。

さて、そんな神戸国際大学では、外国人向けにどのようなサポートが行われているのでしょうか。

まず、外国人生徒の学生生活をスタッフがフォローする体制が整っています。例えば、登校率が低い学生に電話や下宿訪問を行う取組や、英語・中国語・ベトナム語を話すスタッフが常駐し、母国の保護者との連携を図る工夫がされているようです。また、Student Assistant制度では日本人学生が授業のサポートを行っています。

 2位:大阪観光大学

道頓堀

大阪観光大学は、大学名に「観光」の言葉がつく日本で唯一の大学です。観光学部と国際交流学部の2つの学部を持ち、それに加えて「日本語別科」という留学生向けに日本語を教育する科があります。

大学は学生の語学力や異文化理解力のサポートを支援しており、世界8カ国・29つの大学と協定を結び、生徒の留学支援や国際交流に積極的に取り組んでいるようです。また、中国やベトナムを中心とした世界14カ国の留学生を受け入れており、2017年度は324人の留学生が在籍していました。

さて、大阪観光大学も外国人学生向けにさまざまな取組を実施しています。

「日本語別科」は外国人留学生が日本語を十分に学ぶためのブログラムを準備しており、日本語能力試験の対策講座などが実施されているようです。また、学内では国際交流イベントが年数回行われ、留学生たちは日本文化の体験やスポーツ大会などを通して、日本人学生との交流や日本文化への理解を深めることができます。

その他にも、日本で進学や就職を希望する留学生は授業時間以外でアドバイスを受けることもできるのです。留学生は入学願書・履歴書・自己PR書などの必要書類の書き方や面接対策など、就職活動について大学内のスタッフに相談することができます。

 1位:立命館アジア太平洋大学

外国人大学生が最も多い大学は、大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学です。2019年の学生数は、国内学生2,924人に対し、なんと留学生(国際生)が2,906人が在籍しています。「生徒の2人に1人が外国人」という、日本ではとても貴重な大学だと言えるでしょう。

世界中の80を超える国と地域から生徒が集まっており、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、中東など多国籍な留学生がいる点も特徴です。また、立命館アジア太平洋大学は、2018年度の就職決定率は96.2%と高水準となっています。もちろん、留学生だけの就職決定率も94.6%と高い結果が出ており、259名の外国人学生が日本国内で就職を決めているのです。

このように、外国人生徒の人数と高い就職率を誇ることから、立命館アジア太平洋大学は「外国人学生の採用」をする上で最も注目すべき大学だといえるでしょう。

さて、生徒の半数が外国人であるこの大学は、留学生向けのサポートも充実しています。最も特徴的な取組は、「APハウス」と呼ばれる学生寮です。この施設は、はじめて日本で暮らす留学生が日本の生活スタイルを学ぶことを目的に利用されています。入学1年目、外国人学生はみなここに住むことになっており、APハウスで日本生活に少しずつ慣れていくのです。

また、ここには生徒の成長を支援する教職員や、生徒の生活サポートの役割を担う学生が配置されており、留学生の生活支援にとても力を入れています。

外国人の大学生について詳しくなりましたか?

外国人グループ

日本で外国人留学生が増えている現状や、外国人学生が多い大学ランキングをご紹介してきましたが、いかがでしょうか。2019年には日本で就職した外国人留学生の人数は過去最多となり、外国人学生の採用にますます注目が高まっています。しかし、留学生の就職率は約3割に留まっており、外国人学生の就職活動には様々な課題が残されているのが現実です。

「留学生を採用したい」という企業は、外国人が多い大学へアプローチすることで、優秀な学生と出会えるチャンスが増えます。ぜひ、外国人学生の採用に挑戦してみてはいかがでしょうか。