社会経済の国際化やグローバル化が進み、国内の外国人採用は2018年10月に146万人を突破。もちろん、新卒の外国人を採用する企業も年々増加しています。新卒の外国人採用を検討する企業が増える一方で、外国人の新卒採用に不安を感じる企業担当者も少なくないでしょう。

そこで今回は、外国人の新卒採用への不安を払拭するため、採用時の注意点や外国人エンジニア採用のポイントなどを解説します。

外国人 女性 学生

新卒の外国人を採用する時の注意点!

文部科学省の調査データによると、日本に留学している外国人の約30%が日本で就職し、さらに日本での就職を希望する外国人は全体の約64%という結果でした。政府はこの就職率を現在の3割から5割へ上げる閣議決定をしています。つまり、今後さらに外国人の新卒採用が加速されるということです。

そこで外国人の新卒採用をするべきか検討する要素として、まず「採用時の注意点」についてご紹介します。

注意点1:在留資格の確認

外国人を新卒採用する場合、採用時に「在留資格」を確認しなくてはなりません。なぜなら、採用が決まった後、外国人学生の在留資格を業務に合致している就労可能な資格へ変更しなければならないからです。資格変更の際には、採用後の業務が大学・専門学校での専攻と一致しているかが重要となるので、事前に確認しておきましょう。

在留カード 写真

画像:出入国管理庁ホームページより

在留資格は「在留カード」を提示してもらうことで、確認できるので早期に実施しましょう。

在留資格が業務開始日までに変更できないと、採用を決めても働いてもらうことができないので注意が必要です。また、在留資格が変更されないまま雇用すれば「不法就労」となり、雇用者である企業も処罰されることがあるので注意しましょう。

さらに、就労ビザ(就労可能な在留資格)には期限があるので、企業担当者は更新時期を把握しておくことをお勧めします。本格的に外国人の新卒採用を開始するなら、「出入国管理及び難民認定法」や「就労ビザ」の各種内容についても理解しておいた方がいいでしょう。

外国人採用に必要な書類

注意点2:労働条件の明確化

外国人とはいえ、雇用すれば日本人と同様に労働基準法をはじめとする労働関連法規が適用されます。労働条件の詳細は書面で示し、契約も両当事者合意のうえで結ぶ必要があるので確認しましょう。その際、後々のトラブルを避けるためにも、雇用する外国人が理解できる言語でも契約書を作成し、認識の違いがないことをよく確認することが必要です。

また、労働条件の明確化とともに、新卒の外国人の日本語レベルも確認しておく必要があります。雇用後の業務にもよりますが、求める日本語のレベルを明確化しておくことは重要です。

本とペン

注意点3:社内の受け入れ準備

これまでに外国人の新卒採用をしていなかった企業は、社員に対して「外国人雇用の目的」を説明しましょう。社員一人ひとりが目的を理解していれば、不必要な摩擦が避けられるはずです。また、文化も言語も違う外国人とは認識や理解の違いが生じる可能性があるので、マナー研修だけでなく日本語力向上を支援するシステムを導入するなど、受け入れの準備が必要です。同時に、社員に対しても外国人と働くことで生じる問題点などを理解するための研修などを取り入れましょう。誤解が生じやすい指示の出し方などは、しっかり確認しておいた方がよいでしょう。

新卒の外国人エンジニアを採用する時の採用ポイントは?

経済産業省の「IT関連産業の産業人口に関する将来推計」によると、2015年時点ですでにIT人材は約17万人不足。その15年後には人材不足規模が約59万人に拡大することが予想されています。IT業界で働く外国人は2008年から2015年の7年間で約2倍になり、今後も外国人エンジニアの需要は増えるでしょう。

外国人エンジニアの会議風景

IT業界の企業担当者にとっては、自社の将来を担う外国人エンジニアの確保が急務となりますが、新卒の外国人エンジニアを採用する際のポイントにはどのようなことがあげられるのでしょうか。注意点をご紹介していきます。

注意点1:求める人材の明確化

前述した経済産業省の調査結果によると、今後「量」「質」ともに大幅に不足が見込まれるのは、「人工知能」「IoT」「ビッグデータ」の人材でした。その他不足が懸念される分野には「デジタルビジネス」「情報セキュリティ」「クラウドコンピューティング」などもあげられます。

同調査の今後の見込みを踏まえ、企業担当者は自社に必要な人材を明確にし、能力に適した外国人エンジニアを起用するようにしましょう。

注意点2:グローバルな基準を踏まえた給与・待遇

外国人協力の画像

経済産業省の調査結果では、優秀なIT人材を獲得するためには「産業の魅力を高めること」が重要だとしています。つまり、給与や待遇に対する満足度を上げるということ。日本のIT人材の年収は他産業と大差がありませんが、アメリカやインドと比べると大きな違いがあります。ゆえに外国人エンジニアを採用する際には、グローバル基準を踏まえた待遇や給与が必要となるのです。

数年勤めても給与が上がらなかったり上のポジションに移れなかったりすると、日本人よりドライな外国人は、すぐに高待遇の企業へ移ってしまう恐れがあります。

注意点3:求める言語力の明確化

ITエンジニアに限らず外国人を新卒採用する場合、「どこまでの日本語のレベルを求めるか」は重要な検討事項です。さらに、近年では国際競争力を高めるために社内公用語を「英語」にする企業もあるので、自社で求める言語とそのレベルは明確にしておく必要があるでしょう。外国人エンジニア向けの日本語研修にとどまらず、日本人エンジニア向けの語学研修も必要かもしれません。

新卒外国人を採用する支援サイトは?

最後に、新卒外国人が日本で就職先を探す時に活用する支援サイトをご紹介します。外国人に特化したエージェントになっているので、企業の採用担当者にとっても自社にマッチした人材を見つけやすいでしょう。

Guidable jobs

Guidable株式会社が運営する求人サービスで、145カ国1万人以上の在留外国人が利用しています。職種と在留資格のマッチングデータベースから在留外国人が就労可能かどうかを判断する「在留資格マッチング機能」や、英語入力された外国人の情報を企業担当者が日本語で見られる「自動翻訳機能」など多彩な機能を完備。「職種別カテゴリ」が設置されているので、職種のミスマッチが防げます。

Guidableは「外国人と日本人の境界線をなくす」という理念のもと、日本で暮らす外国人だけでなく日本で暮らしたい外国人のプラットフォームを展開。求人サービス「Guidable Jobs」の他、クラウドソーシングサービス「Guidable Crew」や日本の暮らしメディア「Guidable Japan」を運営し、包括的に在留外国人を支援しています。

Guidable Jobsのホームページはこちら!

NINJA

NINJAの採用HPです

株式会社グローバルパワーが運営する日本で働きたいと考える外国人のための就職情報サイト。国内最大級のエージェントのひとつで、134カ国約4万3,000人が利用しています。求人は、「語学力を活かす」や「母国との架け橋になれる」ものが中心。日本語が話せる優秀な外国人の紹介や派遣はもちろん、新卒の外国人の紹介も行っています。登録外国人に対して、日本式のビジネスマナーのノウハウから在留資格変更・申請書類の作成まで、総合的にサポート。外国人を採用したい企業が無料でコンサルタントに採用相談できるので、初めての外国人採用にお勧めです。

NINJAのホームページはこちら!

GaijinPot

GaijinpotのHP画像

株式会社ジープラス・メディアが運営する国内最大級の英語求人サイト。創立17年ですでに8,000以上の企業求人広告をサポートしています。最大の特徴は、他のエージェントより欧米出身の登録者が多いこと。国籍が北米の人が35%、ヨーロッパが14%となっています。また、登録者の90%が25~34歳というのも魅力のひとつです。携わる業界はIT・テクノロジー、サービス業、語学・教育関連など多種多様で、専門性の高い人材紹介の実績を有しています。求人広告は30日間掲載。応募者を場所、言語レベルなどカテゴリ別で検索できます。

GaijinPotのホームページはこちら!

他にも気になる方はこの記事「外国人採用を任せるならここ!外国人採用の求人サイト7選」をチェック!!

外国人の新卒採用まとめ!

<新卒外国人の採用の注意点>

ワーキングビザの書類
  1. 在留資格の確認
  2. 労働条件の明確化
  3. 社内の受け入れ準備

本格的に新卒の外国人を採用するなら、企業担当者は「出入国管理及び難民認定法」や「就労ビザ」の各種内容について理解しておく必要があります。また、雇用する外国人が理解できる言語でも契約書を作成しましょう。

<外国人エンジニア採用ポイント>

外国人IT会議
  1. 求める人材の明確化
  2. グローバルな基準を踏まえた給与・待遇
  3. 求める言語力の明確化

人材不足が懸念されるIT業界では、採用に関してもグローバルな視点が必須です。優秀な外国人エンジニアを獲得するためには業界自体の魅力を高め、自社が求める人材像を明確にしておく必要があります。また、外国人エンジニアだけでなく、日本人エンジニア向けの研修も取り入れましょう。

外国人の新卒採用に不安を感じるなら、外国人に特化したエージェントを利用するのも1つの方法です。少子化による人材不足は避けられないので、早めに外国人採用に慣れておく方が懸命でしょう。

<参考>

「外国人留学生の就職促進について(外国人留学生の就職に関する課題 等)」文部科学省 平成29年度6月

「外国人雇用状況」の届出状況(平成29年 10月末現在)厚生労働省

IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~報告書概要版~ 経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 (委託先:みずほ情報総研株式会社) 平成28年6月10日

在留外国人向け求人サービス「Guidable Jobs」がリニューアル、「リニューアル記念 掲載半額キャンペーン」を実施 PRTIMES(2019年3月6日)2019年8月28日閲覧

 

NINJAとは NINJAホームページ 2019年8月28日閲覧